2月23日から26日まで、横浜市のみなとみらいにある「パシフィコ横浜」で「CP+2023」が開催される。もう忘れてる人もいるかもしれないけど、カメラやレンズや写真用品のメーカーが一堂に介して自由に触ったり質問したり解説を聞いたりできるので、写真好きにはたまらないカメラの見本市だ。
これが実に久しぶりのリアル開催なのである。
なにしろ2020年は開催直前ギリギリになって、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の影響で中止。あれはほんとにギリギリだった。覚えている人も多かろうが、日本で最初の感染者が確認されたのが1月15日、横浜港に寄港したクルーズ船で感染者が判明したのが2月4日。このときはこの感染症について分からないことが多かったのに、開幕まで2週間を切った2月14日になって開催中止を決定したのである。あれは英断だったと思う。
CP+は会場で実際にカメラを手に取り、グリップを握り、ファインダーを覗いてシャッターを押してみるという体験が欠かせないイベントなので、感染症に対してより敏感にならざるを得ないのだ。
翌年の「CP+2021」はコロナ禍の中、オンラインのみの開催。
昨年の「CP+2022」はコロナ禍も落ち着いてリアルとオンラインの同時開催を目指しつつも、直前のオミクロン株の流行によりまたもやリアル開催が中止になった。だからCP+2023はほんとに久しぶりのリアル開催なのである(正式にはリアル+オンライン開催)。
久しぶりなので、最近カメラや写真にハマったのでリアル開催を知らない、って人はぜひ体験してほしい。
で、CP+2023をにらんでちょいと最近のカメラのトレンドの話でもしたい。
基本的にデジタル一眼のミラーレス化はほぼ完了。各社ともラインアップには残っているけど、うちはミラーレスじゃなくて一願レフでいくぞ、と明言してるのはペンタックスだけで、そのペンタックスは残念ながらCP+に出展しない。
なのでミラーレス一眼の話だ。
ミラーレス一眼全体のトレンドで注目したいのは4点。
順番に見ていきたい。
何はともあれ、カメラの心臓部はイメージセンサーだ。画素数だけを観ると大きな変化はないけど、大事なのはそこじゃない。
その注目ポイントは2点。
1つはAF。かつて像面位相差AFはイメージセンサーの一部のピクセルを位相差AF用に割り当てていたのだけど、AF用ピクセルが少ないとAF性能が上がらないし、多すぎると画質が落ちる。
でもそこに出てきたのがデュアルピクセルCMOSセンサー。1つのマイクロチップレンズの下に2つのフォトダイオードを並べた構造を用い、全画素でAFを行うことで暗所でのAF性能やより正確なAFが可能になり、画質も落ちない。
それをさらに細かくしたのがマイクロチップレンズの下に4つのフォトダイオードを持つ「クアッドピクセルAF」。スマートフォンのハイエンド機でよく使われてるけど(例えばiPhone 14 Proがそうだ)、ミラーレス一眼でそれを明記したのはOMDSの「OM-1」だ。
スマホのセンサーではもう当たり前のように使われてる。
もう1つ大事なのは、センサーの読み出し速度。
これが速いとAF演算の速度も上げられるし、電子シャッター撮影時のローリングシャッター歪みも抑えられる。スペックでは分かりづらい重要ポイントだ。
特にミラーレス一眼にとって大事なのがローリングシャッター歪みだ。
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