電子シャッターでの撮影は、メカシャッターを使わないので、シャッターの動きによる振動が発生しない、シャッター音が出ない、シャッタースピードを上げられる、機械的な動きが発生しないので連写速度も上げられる、というミラーレスのメリットを活かす機能なんだが欠点が2つあった。
1つは高速な被写体を撮ったときの歪み、もう1つはメカシャッターの音や振動がないから気分が上がらない……まあ気分の問題はおいとくとして、歪みだ。
CMOSセンサーは順次読み出しという構造上、最初と最後でタイムラグが発生するので、高速に動くものを撮ると歪みが出る。こんな感じ。
今のCMOSセンサーではこれをゼロにできないけど、読み出し速度を上げれば歪みはかなり減る。それに寄与するのがより高速な信号処理が可能になる積層構造のセンサーだ。
ソニー「α9 II」の商品説明ページには「回路部を画素領域とは別の層に積層配置することで、高速信号処理回路を大幅に拡張しました。さらに、膨大な出力信号を内蔵メモリーに一時保管することで、信号を滞らせることなく高速に処理ができるため、画素領域からの読み出しスピードは従来モデル比 約20倍以上の高速化を達成」とある。
ただ、採用してるのはハイエンド機のみで、ソニーなら「α1」やα9II、ニコンなら「Z 9」、キヤノンなら「EOS R3」、富士フイルムなら「X-H2S」、OMDSなら「OM-1」と限られる。
富士フイルムの場合、積層型センサーを採用したX-H2Sと非積層型で画素数を上げた「X-H2」を比べると、画素数で少ないX-H2Sの方が約5万6000円高いなど、コストへの影響が大きいのだろう。
実際にどのくらい違うのかというとこのくらい。
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