note社がAI執筆支援機能「AIアシスタント(β)」を一部ユーザー向けに公開した。これは書きたいテーマを入力すると、記事の切り口や流れ、タイトルなどを提案する機能だ。
しかし、実際どの程度役に立つのか? 利用権を得たので、プロの記者として厳しく見ていこう。うまくいけばライターや記者の仕事がかなり楽になるが、提案が微妙ならむしろ無駄な労力がかかるかもしれない。
AIアシスタント(β)でできるのは「記事の切り口を提案」「タイトルを提案」「目次を作る」「プレスリリースの構成を提案する」「童話を作る」の5つ。今回は「記事の切り口を提案」「タイトルを提案」をチェックする。
記事の切り口とは「ネタをどう料理するか」のことだ。上質なマグロが手に入ったとして、料理が下手ならおいしくはならない。着目点ともいう。適切な切り口を探るには、ネタの本質を見極め、受け手の興味を考える必要がある。これがなかなか難しい。
試しに、AIアシスタント(β)について切り口を考えてもらおう。ここでのネタは「AIアシスタント(β)」、受け手はITに関心がある人々だ。指示は以下の通り。
「noteにAIサポート機能が追加された。記事の切り口やタイトル、目次、構成案などを自動生成できる。これをITに興味がある人向けに伝えたい」
そして出力された切り口がこちら。
- AIと機械学習を使って、CHRO(Chief Human Resources Officer)やエグゼクティブの意思決定を補助できる新しい機能を搭載したnoteを提供しています。
- AI技術によって、個人の革新と創造性を高められるポットエンティアルな技術をご提供します。
- このプロジェクトに取り組んでいる関係者により、IT分野で技術革新を果たす方法を知ってもらえるような情報発信を予定しています。
- noteを活用することにより、ITでの戦略的アプローチをより深く理解できることを期待しています。
- どのような手段を使用して、AIサポートの機能が極めて効率的に伝えられるかなどについても、Aha!体験を可能にするための要素をGo WILD, Go Boldして探ります。
よく分からない。文章が破綻している箇所が多い印象だ。AIアシスタント(β)は米OpenAIが開発した自然言語AI「GPT-3」ベースなのだが、横文字ビジネス用語を使うのが好みなのだろうか?
もっとうまくいくパターンもあるかもしれない。こんな指示だとどうだろうか。いったんITから離れよう。
「夜にすんなり眠れて、朝すっきり起きれる方法について語りたい」
これで切り口を提案してもらおう。
- ヤトウェルネスを教えるための夜間のリラックス法を考える。
- 寝る前のストレッチやバーバランスを研究し、睡眠のクオリティーを向上させる。
- 寝る前の集中力の維持法の研究を行う。
- 日差しを取得して体内時計を正常に作動させるための研究を行う。
- 安眠薬やサプリメントを考える。
少しまともになった。やはり横文字専門用語は好きらしい。ヤトウェルネスとは?
AIアシスタント(β)の入力欄を見ると「キャンプ初心者にキャンプの楽しさを伝えたい」という例文が入っている。これに倣って「誰に何を伝えたいか」という構造で指示を書いてみよう。
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