「電池の残量が少なくなっています。カメラを使用できません」──国産スマートフォンではそんな表示がされ、写真を撮影できない状態になることがある。この仕様に対し、不要ではないかと異議を唱える投稿が話題だ。ガジェット紹介ブログ「すまほん!!」の公式Twitterアカウント(@sm_hn)が2月15日、「日本メーカースマホのこれマジでいらん」と画像付きでツイート。他ユーザーからは賛否両論さまざまな意見が上がっている。
【訂正:2023年2月20日午前10時 当初、FCNTは富士通の子会社としていましたが、2021年に独立していました。そのためタイトルと本文を修正しました。おわびして訂正いたします】
すまほん!!の投稿は次の通りだ。「日本メーカースマホのこれマジでいらん。お前の電池は繋げば回復する。今、目の前にある光景はこの瞬間にしかない。頼むからまともに使ってる人間が作ってくれ。ホント使いにくい」(原文ママ)。合わせて、電池残量が少ないためカメラ機能が使えなかったと告げる通知画面のスクリーンショットも掲載している。
この通知が届いた際、スマホのバッテリー残量は1%ではなかったという。他ユーザーからは「arrows NX9では10%で出た」「Xperiaは5%以下でこれ」「シャープは5%で出る」などの声が国産スマホを利用するユーザーからは上がっている。
この他、「純正カメラのみ制限しようと電池消費の大きい自撮りアプリもゲームアプリも動きます。その残量内で利用者の裁量に任せるべき」と言及している。
このツイートを見たユーザーからは「分かりすぎる」「同じくこれで何回も貴重な撮影を逃した」「メーカーは時代の変化にも合わせてほしい」など不要論に賛同する意見が見られた。一方、「バッテリー寿命やシステムの保護のための機能では」「普段から20%切らないように生活すればいい」「カメラは電池食いだから正しいアラートだと思う」など通知があるのは仕方がないと受け入れるユーザーも。
他にも、米AppleのiPhoneが電池残量に限らずカメラ機能を利用できることから、「これで散々シャッターチャンス逃した結果、すぐにAndroidからiPhoneに戻した」「日本産は制限がきつく、外国産は制限が緩い」など海外産メーカーとの仕様の違いを挙げるユーザーもいた。
Twitterで実例が挙げられていたarrows NX9を開発するFCNT(神奈川県大和市)に話を聞いた。同社は「当社では、ユーザーの大事な写真や、その他ファイルを破損させないために、電池残量規制を設けている」と話す。
「制限をかけない場合、電池の残量が少ないときにカメラを使用すると、端末電源ごと落ちてしまう。それは、意図しない電源断であるため、撮影中の画像だけでなく、システムファイル含めたデータを破損する可能性がある。そのようなことが起こらないよう、電池残量規制を設けている」(同社)
同社製スマホの仕様については「(電池残量が少ない中で)カメラアプリを起動させた際、1枚も撮影できず電源が落ちてしまうのは、ユーザー様にご不便を感じさせてしまうので、数枚程度は保存までできる状態にしている」とも説明。「撮影後に電源が落ちてしまう際も、メッセージを出してから電源を切るようにしており、意図しない電源断は防ぐように設計している」と言及した。
同社によると、国内や海外製品含めて制限の度合いは異なるが、ほとんどの機種でカメラ機能に関する制限がかけられているという。
また同社製のスマホにおいて、このような制限を行う際の電池残量の値は一律ではなく、端末ごとに個体差があるという。同社は「なるべく低い設定となるよう調整しており、残量1%まで制限がない端末もある」と同じメーカーのスマホでも違いがあることを説明した。
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