ITmedia NEWS >
SaaS セレクト with ITreview

電代業を用いた在邦外国人向けネオバンクサービス「GIG-A」 UI銀行のAPIを活用

» 2023年03月02日 16時26分 公開
[斎藤健二ITmedia]

 エストニアのG-Bank Technologies傘下のGIG-Aは3月1日、在邦外国人に向けた金融サービス「GIG-A」の提供を開始した。外国人は、日本語を使うことなく、スマホから銀行口座の開設や振り込みなどが行えるようになる。

 銀行サービスは、東京きらぼしフィナンシャルグループ傘下のUI銀行のAPIを利用する。自社は免許を持たず、免許を持つ金融事業者のサービスをユーザーに提供する、いわゆるネオバンクだ。

 国内では、住信SBIネット銀行などが銀行プラットフォームの外部提供を進めており、銀行免許をもたない事業者による銀行サービス提供が徐々に増えつつある。しかし、通常は銀行代理業のライセンスを用いる。

GIG-Aの仕組み。スマホアプリからAPIを用いて金融機関のサービスにアクセスする

 GIG-Aは今回、銀行代理業ではなく電子決済等代行業(電代業)のライセンスで、ネオバンクサービスを提供する。電代業は、銀行などの金融機関が提供するAPIを用い、口座残高などの情報を取得(参照系API)したり、振り込みなどの指示を行ったり(更新系API)できる。多くは、会計ソフトや家計簿ソフトの提供ベンダーが利用しているライセンスだ。

 「銀行代理業のライセンスは、大きな組織でないと取得が難しい。電代業を使い銀行サービスを提供するのは国内初」だと、ラウル・アリギヴィCEOは話す。

GIG-Aのラウル・アリギヴィCEO

 GIG−Aは月額1100円でサービスを提供し、振込手数料などもそこに含まれる。銀行口座の開設と解約、入出金、そして国内振込が利用できる。当初Androidでスタートし、3月以降iOSにも対応する。対応言語は英語、ベトナム語と日本語。

 今後、決済サービスや国際送金サービスも提供していく考えだ。ユーザーの利用履歴を用いて与信を行い「今後、クレジットカードや自動車ローンも提供したい」(アリギヴィCEO)という。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.