住信SBIネット銀行は10月に外貨預金残高が3500億円を超えたことを明らかにした。3月時点では3000億円を下回っており、半年で2割程度増加した。背景には、2022年に入って急速に進んだ円安と、ドルの高金利がある。同行の米ドル1年もの定期預金は、5%の金利を付けている。
日米の中央銀行の政策の違いから、22年は両国の金利水準のかい離が大きくなった。ゼロ金利政策を継続する日銀に対し、米中央銀行にあたるFRBは急速に利上げを進め、政策金利にあたるフェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標は3.0〜3.25%に至っている。
金利差の拡大は、より金利の高い国での運用を目指したドル買い、円売りを呼び、急速な円安につながった。年初の1ドル115円から、10月には150円を超えるところまで円安が進んだ。
ドルを保有することで、高金利だけでなく為替差益も得られるとあって、ユーザーの外貨への関心は高い。ネット銀行も外貨預金獲得のチャンスと見て、キャンペーン的な高金利を案内している。住信SBIネット銀行の米ドル1年もの定期預金は、金利5%と業界最高水準だが、これは円からドルを買いつけた場合のみ。すでに保有しているドルの場合、1年もの定期預金で金利は3.4%となっている。
住信SBIネット銀行の預金残高は6月末で7兆3400億円あまり。5%程度が外貨預金となった計算だ。同行は、「外貨No.1銀行」を目指すとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR