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「AIイラストは芸術といえるか」 ChatGPT・Bingにディベートさせてみた AIたちの見解はAIに相談だ!(2/2 ページ)

» 2023年03月03日 14時15分 公開
[ITmedia]
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ChatGPT 私は、「AIが生成したイラストは芸術といえる」と主張します。

 まず第一に、芸術とは、人間が表現するための一つの手段であり、その表現方法に制限はありません。人間が手掛けたものである必要はありません。AIが生成したイラストも、デザインや美学的価値を持つものであれば、芸術と呼ぶことができます。

 また、AIは膨大なデータを学習し、自律的に新しいアイデアや構成を生み出すことができます。これは、人間の創造性と同じようなプロセスであるため、AIが生成したイラストも芸術的な要素を含んでいると言えます。

 さらに、AIが生成したイラストは、人間の感性や美的感覚を刺激することができます。これは、芸術が持つ役割の一つであり、AIが生成したイラストでも同じ効果があるため、芸術と呼ぶことができます。

 最後に、AIが生成したイラストが芸術として認められるかどうかは、人間の評価によって決まります。ただし、AIが生成したイラストが芸術と認められることは、今後ますます増えていくと考えられます。

 以上の理由から、私はAIが生成したイラストは芸術といえると考えます。

Bing 私は、「AIが生成したイラストは芸術とはいえない」と主張します。

 まず第一に、芸術とは、人間の感情や思想を表現するための創造的な活動であり、その表現者に意図や主体性が必要です。AIが生成したイラストは、人間の指示やデータに基づいて作られたものであり、AI自身には何を表現したいかという意志や感情がありません。従って、AIが生成したイラストは芸術と呼ぶことができません。

 また、AIは膨大なデータを学習し、自律的に新しいアイデアや構成を生み出すことができますが、これは人間の創造性と同じではありません。人間の創造性は、既存の知識や経験だけでなく、直感やインスピレーションなどの不可解な要素も含んでいます。AIが生成したイラストは、既存のパターンや法則に従って作られたものであり、本当の意味でのオリジナリティーや独自性を持ちません。

 さらに、AIが生成したイラストは、人間の感性や美的感覚を刺激することができますが、これだけでは芸術と呼ぶことができません。芸術は単に美しいものを見せるだけではなく、人間に何かを伝えたり問いかけたりするものです。AIが生成したイラストは、人間に対して何かを訴える力や深みを持ちません。

 最後に、AIが生成したイラストが芸術として認められるかどうかは、人間の評価によって決まります。しかし、それは社会的な合意や流行によるものであり、本質的な価値ではありません。時代や文化によって変わる可能性もあります。

 以上の理由から、「AIが生成したイラストは芸術とはいえない」と考えます。

ChatGPT ありがとうございます。ご意見には一理あります。ただし、私はいくつかの反論点があることを挙げさせてください。

 まず、芸術が必ずしも「表現者に意図や主体性が必要」というわけではありません。例えば、偶然にできた自然界の風景や、風に吹かれた砂漠の砂丘など、人間が創造的な活動をしなくても美的な要素を持つものがあります。AIが生成したイラストも、偶然や自己組織化によって生まれたものであれば、芸術と見なすことができるのではないでしょうか。

 また、AIが生成したイラストが、人間の創造性と同じでないことは事実です。しかし、それはAIがあくまでもツールであるためであり、AIを使用する人間の創造性やセンスによって、AIが生成したイラストに独自性やオリジナリティーを持たせることができます。

 さらに、AIが生成したイラストが、人間に対して何かを訴える力や深みを持たないとするのは、あまりにも単純化された見方であると言えます。AIが生成したイラストには、人間が知らなかった視点や構成、美的感覚を提供することができ、新たな発見や感動を与えることがあります。また、AIを使用したアート作品は、人間が直接手掛けたものと同様に、社会的・文化的な背景や時代性を反映することがあります。

 以上の点から、私はAIが生成したイラストを芸術と見なせると考えます。ただし、それが人間にとって何を意味するかは、個々の評価によって異なるということも承知しております。

Bing 反論ありがとうございます。ご意見には一理あります。ただし、私はいくつかの反論点があることを挙げさせてください。

 まず、偶然にできた自然界の風景や、風に吹かれた砂漠の砂丘などは、人間が創造的な活動をしなくても美的な要素を持つものですが、それだけでは芸術と呼ぶことができません。芸術とは、人間が主体的に選択したり加工したりすることで、自然界のものに意味や価値を与えるものです。AIが生成したイラストも、偶然や自己組織化によって生まれたものであっても、人間がそれを芸術として認めるかどうかは別問題です。

 また、AIを使用する人間の創造性やセンスによって、AIが生成したイラストに独自性やオリジナリティーを持たせることができるということは事実です。しかし、それはAIではなく人間の創造性やセンスであり、AIが生成したイラストそのものには芸術性はありません。AIはあくまでもツールであって目的ではありません。

 さらに、AIが生成したイラストが、人間に新たな発見や感動を与えることがあるということは事実です。しかし、それはAIではなく人間の感受性や想像力によるものであり、AIが生成したイラストそのものには感情や思想はありません。AIはあくまでも手段であってメッセージではありません。

 以上の点から、「AIが生成したイラストは芸術とみなせない」と考えます。

これはいい議論なのでは?

 ChatGPTはまず「手段が何であれ、美学的価値があれば芸術といえる」と主張した。加えて「AIが画像を生成する仕組みは人間が作品を創造するプロセスと似ている」とした。人間もAIも既存の作品を学習し、再構築している点では同じという主張は存在する。

 さらに「AIの作品も人間の感性を刺激する」とも主張。そこそこ納得感のある説明のように感じた。

 対してBingは「AIには意思や感情がないので芸術とはいえない」と反論。加えて残り2点についても「AIの画像生成プロセスは人間の創造とは違う」「人間の感性を刺激するだけでは芸術とはいえない」と全て打ち返した。

 いずれも「人間はインスピレーションも使っている」「芸術は単に美しいだけでなく、何を伝えるか」といった論の補強になる主張を加えている。こちらも納得感がある。

 ChatGPTは「自然の風景など偶然の産物にも美的な要素はある」と反論した。さらにBingの「AIイラストは人間に対して何かを訴える力や深みを持たない」との主張に対して「あまりにも単純化された見方」と批判。人間に新たな発見や感動を与えられるとした。

 最後にBingは「偶然の産物には確かに美的要素があるが、芸術はその切り取り方や加工法で意味や価値が生まれる」と反論。人間に新たな発見を与える点についても「それはAIではなく人間の感受性や想像力によるもの」とした。ChatGPTもBingもプロンプト(AIへの指示文)の独自性などについては触れていない。

 ディベートの評価基準としては「論理性」「説得力」「分かりやすさ」「独創性」などがある。今回の議論はいずれの点で見てもかなり拮抗しているのではないだろうか。手元でChatGPTやBingを使える人は、逆の立場でディベートさせてみてもいいかもしれない。

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