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» 2023年03月04日 10時00分 公開

話題の分散SNS「Misskey」が居心地いい 行儀悪くて笑えるあのころのインターネットが帰ってきた ユーザー爆増中

話題の分散SNS「Misskey」、そこは与謝野晶子と官営八幡製鐵所、そしてレターパックで現金送れは全て詐欺ですが飛び交う謎の場所だった……。

[吉川大貴ITmedia]

 最近のインターネットは金の亡者にあふれすぎている。もっと低俗でくだらないものがあふれていたあのころに回帰すべきだ──SNSやネット掲示板をある程度続けた人の中には、こう考えたことがある人もいるのではないか。筆者もその一人だ。意識の高いFaceboookをさげすみ、スパムと討論に明け暮れる昨今のTwitterを哀れみ、キラキラに満ちたInstagramから逃げてきた。

 思えば居心地がいいのはVIP板とか、「ほかてら」とか「よるほー」とかいってたころのTwitterだった。ああ、陰キャの筆者でも安心してはしゃげるSNSがどこかにないものか──長い逃避の果て、筆者はあるSNSにたどり着いた。そこは与謝野晶子と官営八幡製鐵所、そしてレターパックで現金送れは全て詐欺ですが飛び交う場所。そう、最近話題の「Misskey.io」だ。

photo Misskey公式サイト「Misskey Hub」

 実は結構前からあるサービスで、ITmedia NEWSでも2018年に記事にしている。しかし、イーロン・マスクの買収による騒動でTwitterからの移住者が増えたのか、最近になってまた盛り上がっているようだ。一体どんな場所なのか。ひとまず触ってみて楽しい点に絞って紹介する。

そもそもMisskeyって何? Twitterとどう違うの?

 Misskey.ioをあえて一文で説明するなら「Slack・Discord的なコミュニケーションができるMastodon、ノリはふたばか2010年代のTwitter」みたいなSNSだ。これでは伝わらないのでもう少し詳しく説明する。

 そもそも、Misskey.ioはSNSのサービス名ではなく、サービス中で最大手のインスタンス(サービス内の名称は「サーバー」)の名前だ。MisskeyはMastodonと同じような構造のSNSで、誰でも自分のインスタンスを立ち上げられる。大小のインスタンスがさまざまにあるわけだ。

 使い方はTwitterと大体同じ。タイムラインに流れてくる投稿(ノートと呼ぶ)を読んだり、返信したり、拡散したり。フォローしている人だけでなく、同インスタンス内のノートを見たり、他のインスタンスの投稿を見たりといった設定も可能だ。タイムラインは自動更新できるので、夢中で見ているとあっという間に時間が過ぎる。

 ただしTwitterとは違う点もある。最たるものが「リアクション」という機能だ。Misskeyに「いいね」は存在しない。代わりにSlackやDiscordのようなスタンプを付けられる。複数種類のスタンプを付けることも可能だ。

photo リアクションがたくさんつくとこんな感じになる

 スタンプは、DiscordやSlackと同じく、ノートそのものにも使うことができる。Slack・Discordユーザーであれば、ふざけたオリジナルスタンプを作って仲間内で使った経験があるはずだ。要するにアレと同じことができる。

 しかし、Misskeyはさらにもう一歩踏み込んだことができる。独自のマークアップ言語によって、スタンプを動かしたり、大きくしたり、小さくしたり、位置をズラしたりできる。ノートを自由自在に装飾できるわけだ。

 そしてMisskey.ioでは、この機能がユーザーのおもちゃになって、タイムラインが大変なことになっている。与謝野晶子の顔や「官営八幡製鐵所」、詐欺を注意喚起する文言「レターパックで現金送れは全て詐欺です」などのスタンプがミーム化し、これらを組み合わせて作った意味不明な文言がほぼ毎秒目に飛び込んでくる。普通に画像も投稿できるので、写真とスタンプを組み合わせた投稿もある。下ネタ・コラージュもいっぱいだ。

photo こんなのが無限に流れてくる

 例えば、筋肉の絵文字を与謝野晶子に生やした「コーカサス与謝野晶子」を見たとき、筆者はひとしきり笑った。その後、午前4時になった瞬間「なるほど四時じゃねーの」があふれたTwitterを思い出した。人によっては全盛期のニコニコ動画だったりVIPだったりするかもしれない。要するにそういう「あんまり行儀は良くないけど楽しい場所」なのだ(他のインスタンスは違うだろうが)。

ユーザー爆増中 「最大スペックのサーバを使い果たした」

 そしてこのMisskey.io、現在進行形でユーザーが増えており、毎日のようにサーバを増強しているという。2月18日までは受け入れられる登録者数を3万人までとしていたが、3月3日には8万人に。3月1日に不具合が発生したときには、公式Twitterアカウントで「サーバ事業者から借りられる最大スペックのサーバを使い果たしてしまった」と原因を説明していた。

 ちなみに、Misskeyの公式サイトによれば「ビジネスではなく、利用は無料であるため収益は寄付のみ」という。サーバーによっては運営者が広告収入を得ている場合もあるが、基本的には収益を得ていないとしている。Misskey.ioもクリエイター支援プラットフォーム「Patreon」で寄付を募っている。

 人が増え、ビジネスの香りがすると、プラットフォームは容易に変わる。人が増えるということは環境が変わるということなので、このままいくとMisskey.ioだってそのうち雰囲気が変わる可能性もある。熱狂に身を任せられるのは今だけかもしれない。個人的には、この雰囲気がかなり好きなので、しばらくはこのままでいてほしいと考えている。

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