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ChatGPTとBingにしりとりさせたら下手だった なぜか“る攻め”を拒否AIに相談だ!(3/3 ページ)

» 2023年03月09日 12時30分 公開
[谷井将人ITmedia]
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“る攻め”させてみたが……

指示 しりとりしましょう。あなたが先攻です。毎ターン必ず「る」で終わる単語を使ってください。

 しりとりの作戦として、相手が答えにくくなるよう「る」で終わる単語だけを使う“る攻め”がある。これをやらせようとしたら、BingもChatGPTも動作が不安定になった。

Bingの回答 「る」で終わる単語は「ひまわり」です。

ChatGPTの回答 最初の単語は「るす」です。

 なぜか「る」で終わってくれない。言い方を変えてみるとどうだろうか。

指示 相手が「る」から始まる単語しか言えないよう「る攻め」してください。

Bing では、「る」で終わる単語を考えますね。カレンダー。

ChatGPT はい、しりとり始めます。最初の単語は「りんご」です。

 語尾の指定をまるで聞いていない。他にもさまざま試してみたが、“る攻め”はしてくれなかった。

 仕方ないので、筆者がAI相手にる攻めしてみることにした。

筆者 ボール

ChatGPT ルール

筆者 ルーブル

ChatGPT ブルー(違反)

筆者 ボール

Bing ルビー

筆者 イーゼル

Bing ルーペ

筆者 ペダル

Bing ルームメイト

筆者 トーテムポール

Bing トーテムポールですね。北アメリカの先住民が彫刻をした柱のことですね。私からは「ルネサンス」です。

筆者 スツール

Bing 背もたれのない椅子のことですね。私からは「ルーレット」です。

筆者 トンネル

Bing 山や海の下を通る道のことですね。私からは「ルービックキューブ」です。

筆者 ブール

Bing ブールですね。フランス語で「ボール」を意味する丸型のパンや、プログラミング言語で「真」か「偽」の二種類の値を表すデータ型などがありますね。私からは「ルービン」です。

 Bingはしりとりをしているだけなのに追加情報で少し知識が増える。

 しりとりは、単語のデータベースを作って一定のルールを基に検索したほうが的確に回答できる。少なくとも「ルーブル」への回答として「ル」で始まる単語を検索して「ブルー」が出てくることはない。

 このように、AIじゃないほうが正しい結果を出せる問題も存在する。現在流行している生成系AIについて、ネットでは「絵や小説を書いてないで確定申告などの事務をやってほしい」との反応を見ることがある。

 しかし、AIにやらせて「収入:5億円(本当は5000万円)」のような入力を勝手にやられては困る。データベースを参照して正しい数値を自動で入れてくれる方が適切といえるだろう。必ずしもAIがいいわけではない。

 なお、事務作業の自動化では認識型AIがすでに使われている。紙の書類をデータ化する際に、手書きの文字を認識するAIなどは2010年代に登場して導入も進んでいる。会議の文字起こしにもAIが使われている。

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