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高校生約30人中2人以上が消費トラブル経験あり 消費者庁が調査 被害者ほどリテラシーが低い傾向に

» 2023年03月13日 17時00分 公開
[ITmedia]

 消費者庁は3月13日、高校生と消費者トラブルの関係について「フリマアプリ利用者は被害経験が多い」「被害経験者はリテラシーテストの点数が低い」「消費者教育をした学校の生徒は被害が少ない」といった調査結果を発表した。

photo 重大トラブルの被害者はクラスに少なくとも2人いる計算に

 調査は徳島県の高校生(有効回答数4627件)と高校教員(有効回答数38件)を対象に実施。教育の実施具合やリテラシーの有無、ネット注文の利用数と、被害状況について調べた。被害は「届いた商品が壊れていた」「機能や品質が粗悪だった」「商品が届かずお金だけ取られた」「詐欺に遭い、お金を払った」の4項目。

 商品が届かずお金を取られた生徒は全体の約5.9%(271人)で、約30人のクラスに2人程度いる計算になる。詐欺に遭いお金を払った生徒も約3.2%(146人)で、1クラスに1人いる割合となった。

 ゲームやアプリ、LINEスタンプを購入したことがない生徒で、お金だけ取られたのは4.4%だったのに対し、1週間に1回以上購入していた生徒は12.4%が同様の被害に遭っていることも分かった。フリマアプリについても、使ったことがない生徒の被害割合は4.5%、週に1回以上使う生徒の場合は22.8%と差がついた。いずれも利用頻度が高いほど被害割合も高かった。

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 消費生活に関するクイズ(10問、10点満点)の点数と被害状況についても比較した。「注文したものが届かず、お金だけ取られた」経験が「全くない」生徒の平均点は6.2点、「複数回あった」生徒は4.6点であった。「詐欺に遭い、だまされてお金を払った」経験が「全くない」生徒の平均点は6.1点、「複数回あった」生徒は3.7点だった。

photo 経験者ほど得点が低い傾向に

 教育と被害の関係も調査した。外部講師による出前授業を実施した学校としなかった学校で比較したところ、お金だけ取られた生徒の割合は授業ありの場合で5.5%、なしの場合で7.2%だった。詐欺被害者の割合も授業ありで2.8%、なしで4.4%になった。

 また、ゲーム形式の教材を使った消費者教育では、実施回数が多いほど被害割合が下がる結果が得られた。

 結果を受け、消費者庁は「さらなる検証が求められるが、外部講師による出前講座の実施やゲーム形式教材の利用といった消費者教育実施に当たっての工夫は、生徒が特に重大な消費者トラブルに遭うことを防ぐ効果がある可能性も示唆されている」としている。

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