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「ムーアの法則」のゴードン・ムーア氏死去

» 2023年03月25日 14時52分 公開
[ITmedia]

 米Intelとゴードン・アンド・ベティ・ムーア財団は3月24日(現地時間)、Intelの共同創設者で、「ムーアの法則」で知られるゴードン・ムーア氏が亡くなったと発表した。94歳だった。ハワイの自宅で家族に囲まれて安らかに亡くなったという。

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 ムーア氏はロバート・ノイス氏と共に1968年にIntelを設立し、1975年からはIntelの社長、1979年からはCEOを務めた。1987年にCEO職を退いた後も会長として活動を続け、1997年に会長名誉職に就任した。

 ムーア氏は、1965年に「ムーアの法則」を提唱し、半導体産業の発展を促した。彼の予測によると、集積回路上のトランジスタ数は毎年2倍になるとされ、その後1975年には2年ごとに2倍になると修正された。これは、半導体技術が急速に発展し、電子機器がより高速で小型化・低価格化される原動力となったとされている。

 Intelの現CEO、パット・ゲルシンガー氏は、「ゴードン・ムーア氏は、洞察力とビジョンを通じて技術産業を定義した。彼はトランジスタの力を明らかにすることに重要な役割を果たし、何十年にもわたって技術者や起業家たちを鼓舞してきた。(中略)ゴードンのビジョンは、われわれがすべての人々の生活を改善するために技術の力を使う際、これからも進むべき方向を示してくれる。私のキャリアと人生の多くはIntelの指揮官としてのゴードンがもたらした可能性の中で形成されたものだ。彼の遺志を継ぐ栄誉と責任に身が引き締まる思いだ」と語った。

 環境保護、科学、患者ケア改善に焦点を当てた慈善活動にも力を注ぎ、妻と共にゴードン・アンド・ベティ・ムーア財団を設立し、2000年以降50億ドル以上を寄付している。

 moore 2 2015年に開催されたムーアの法則の50周年記念式典でのムーア氏(画像:Intel)

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