帝国データバンクは3月29日、新電力として登録した事業者の27.6%に当たる195社がすでに「契約停止、撤退、倒産」の状況にあるという調査結果を発表した。1年前に比べて6.3倍に増えた。
2021年4月までに登録のあった新電力会社706社を調査した。これによると23年3月24日時点で195社が倒産や廃業、あるいは電力事業の契約停止、撤退などを行っていたことが分かった。22年3月時点では31社だったため、1年間で6.3倍に増えたことになる。
一方、新電力では電力調達価格の上昇分を料金に反映する動きが続いている。各社は約款の改定、料金プラン変更などにより電気料金を引き上げ、1MWh当たりの電力販売価格は1年前より約7割も高い約3万2270円になった(電力・ガス取引監視等委員会の電力取引データから帝国データバンクが推計)。
この結果、新電力の利益(販売価格ー調達価格)も改善した。22年7月には電気を売れば売るほど赤字が膨らむ「逆ざや」も懸念される状態だったが、現在は「電力ショック以前の水準まで改善傾向にある」という。
こうした状況から帝国データバンクは「電力調達価格が安定していけば、またプレーヤーとなる登録企業が増加する可能性があるが、一方で撤退企業の増加は継続しており、財務基盤の強弱で二極化していくとみられる」と予想している。
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