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ポケモンGO、前代未聞の課金アイテム使用制限で炎上 狙いをNianticに聞く(1/2 ページ)

» 2023年04月04日 13時28分 公開
[芹澤隆徳ITmedia]

 スマートフォンゲーム「Pokemon GO」(ポケモンGO)が炎上している。4月7日から有料アイテムの「リモートレイドパス」をこれまでのほぼ倍に値上げし、さらに1日最大5枚という使用回数制限を設けると発表したためだ。しかし値上げを伴うとはいえ、運営企業にとって収入となるアイテム課金を制限する理由は何か──ポケモンGOを運営する米Nianticに話を聞いた。

米Nianticが3月30日に公開したリモートレイドの最新情報

 リモートレイドパスはゲームのフィールド画面上に見えるジムなら現地まで行かなくてもレイドバトルに参加できる有料のパス。コロナ禍で外出がままならなくなった2020年4月に登場し、ユーザーに歓迎された。

 同年7月にはフレンドからレイドに“招待”されるとリモートレイドパスを使って参加できる仕組みも実装され、他県や海外のレイドに積極的に参加するユーザーが増えた。新たな伝説のポケモンが登場した時などは1日に10枚20枚と消費する人も珍しくない。いわゆるガチャのないポケモンGOにとって売上の一翼を担っていたとみられる。

 しかし7日からはイベントなど特殊な例を除き、ユーザーは1日5回までしかリモートレイドパスを使用できなくなる。価格はこれまでの100ポケコインから195ポケコインとほぼ倍に値上げ。3個セットは従来の300ポケコインから525ポケコインとなる。これらの変更は7日の午前3時に実施されるが、ユーザーはリモートレイドパスを同時に3枚までしか所持できない制限があり、買いだめも不可能だ。

現在は1枚100ポケコイン。100ポケコインは160円(一度に大量に購入すると安くなる)

 ポケモンGOを運営する米Nianticは公式ブログの中で、今回の変更を「ゲームバランスを調整し、『Pokemon GO』をトレーナーの皆さんに長きにわたって愛されるゲームにするためのもの」と説明。同時に現地でレイドバトルに参加したトレーナーは獲得できる「アメXL」の数が増えるといった特典を追加した。

 こうした説明と変更内容に一部ユーザーは猛反発。特にユーザーの少ない地方在住者は救援を頼んでもフレンドが回数制限で応じられないケースも予想されるため、SNSでは「田舎民は人権ないってことですか?」「ゲームの趣旨は分かるが、外でプレイしたいって思えることをしてほしい」「遊びたい気持ちがなくなった」など厳しい言葉が飛び交う。

 普段はポケモンGOを応援しているYouTuberもそろって「炎上」と題した動画をアップ。中には集客を期待するスポンサー企業への配慮やモバイルアプリ「Pokemon Home」を通じたポケモンの移動が原作ゲームのバランスを崩したのではないか指摘する声も上がるなど、界隈全体が揺れている。

 ソーシャルゲームの常識を考えてもユーザーの購買意欲をそぎ、売上を上げる機会を直接的に減らす施策は非常に珍しい。Nianticの狙いはどこにあるのか。米Nianticに話を聞いた。

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