テーマや文字数を指定するだけで、それに合った作文をChatGPTで自動生成できるサービス「AI作文くん」を、個人開発者の矢野さとるさんが4月10日に公開した。「身近な作文を通じて、子どもたちにも楽しみながらAIに触れてほしい」と、矢野さんは話している。
作文のタイトル、内容、文字数と、執筆者の性別、「小学生(低学年/高学年)」「中学生」「社会人」「赤ちゃん」「クレーマー」「ギャル」などのモードを選ぶと、それに合った文章を自動生成する。
オプションで、「含めたいキーワード」「書き出し部分」「終わりの部分」を指定することも可能。完成した作文を音声で読み上がることもできる。
例えば、作文のタイトル「AIってすごい!」、内容「AIで作文できて、すごいと思った」を、小学生(高学年)モードで「100文字」を指定すると、以下のような文章ができた。
最近学んだ事。「AI」というコンピューターで人工的に頭脳をつくる技術があるんだってさ。それで文章を作ってみたら、すごい自然で、普通に人間が書いたみたい!AIで作文できて、すごいと思った。でも、AIができることは人間も大切にしなくちゃいけないよね。人として大切なことを教わって、AIと一緒に生きていこう!
これを「大学生」に変えると、以下のように小難しい文章になる。
AIで作文できて、すごいと思った。人工知能は、人間の思考や行動を模倣することができる。特に自然言語処理分野では、文章生成や翻訳などに活用されている。これにより、多言語に対応した翻訳、事実に基づく正確な文章生成が可能になってきた。もはや、AIは我々の支援ツールとして欠かせない存在になっている。AIの技術進化に期待したい。
ただ、これらの文章はそれぞれ、100文字を大きく超えている。指定した通りの出力になるとは限らず、あくまで、ChatGPTの機能を試せるお遊びサービス、という印象だ。
矢野さんは、匿名掲示板サービス「おーぷん2ちゃんねる」などを開発・運営する個人開発者。最近は、ChatGPTのAPIを使ったサービスを次々に開発しており、チャットAIを作ったり遊べるWebサービス「AI MAKER」、ChatGPTと音声で会話できるサービス「talk-AI」などを開発している。
「AI作文くん」は、漫画家・うめさんがTwitterで、お子さんの作文をChatGPTに手伝ってもらった様子を明かしていたのを見て、「ChatGPTを使えば、お手伝いどころか、作文自体を自動生成できる」と考えて開発したという。
作文や論文にAIを使うことに批判的な向きもある。矢野さんは。「新時代の子供たちが大人になるころは、AIはローカルで動く時代になるだろう。現時点から子どもにAIを駆使させて、作文をAIに作らせる練習をさせるのも大事かもしれない」と話している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR