小寺信良の「プロフェッショナル×DX」
もう「テキストで動画編集」ができる時代に 試して分かったAIの進化っぷり(2/3 ページ)
テキストで動画編集の先駆者「Vrew」がついに有料サービスに
書き起こしたテキストを編集すると、それに合わせて動画も編集されるという仕組みは、韓国企業Voyager Xが開発してきた「Vrew」が先に実装していた。2017年創業のベンチャー企業である。
Vrewは動画の音声をクラウド上のAIで解析し、文字起こしを行なう。アプリ上では、右側にテキスト、左側に動画が表示される。テキストは2段になっており、上のテキストを編集すると、動画の方もそれに合わせて編集されていく。下のテキストは、字幕用のテキストである。
すでに作業中から字幕が入った状態が表示されており、字幕入れ作業の効率化に特化したツールであることがわかる。現在はWEBアプリ版と、Windows、Mac、Linuxに対応したデスクトップアプリ版がある。一般的な編集ツールとして、音楽や効果音の追加や音量調整といった機能もある。
現在動画編集のスタンダードであるタイムライン式のUIは、Avidの「Avid/1」が先駆者となり、以降多くのソフトウェアで採用されている。一方Vrewでは、音楽の挿入などもテキストベースなので、現在のタイムラインUIに慣れている人には、逆に苦労する。ビデオ編集のUIに一石を投じるソフトウェアである。
なおVrewは、.srtという字幕データだけを書き出すこともできる。このデータを他の編集ソフトにロードすれば、タイムライン上で編集できる字幕データとなる。このため、文字起こし機能のないDaVinci Resolveなどのソフトと組み合わせて使用する例も多かった。また他国語への翻訳出力にも対応している。ネイティブな話者が居ないと翻訳が合っているかどうか確認できないのだが、ネイティブな話者翻訳を丸ごと依頼するよりも負担は少ないだろう。
これまでは開発中ということで、無料で使用できた。筆者がサービスを知ってから3年ぐらい経つが、ずっと無料でどうやって収益化するのかと思っていたのだが、この4月からヘビーユーザーに対する有料化へ踏み切るようだ。音声分析で1カ月120分以下など小規模の利用であれば、これまで通り無料で利用できる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
小寺信良の「プロフェッショナル×DX」
クラウド活用にリモート編集環境と、映像にまつわるプロフェッショナルの分野にDXの波が押し寄せている。プロの現場で何が起こっているのか。最新のITトピックを小寺信良氏が解説する。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
キャッシュレスサービス「IDARE」、約13万人の個人情報漏えい 残高や取引履歴なども
-
2
米Getty Imagesが破産申請へ AI画像の台頭で経営悪化、「報道写真」軸に年内の再建目指す
-
3
Anthropic、自己複製AIの「兆し」を指摘 55ドルのTVボックス15台で26Bモデルが稼働
-
4
フランスのスーパー数百店舗で冷蔵設備にサイバー攻撃 温度が最高50度に上昇し食品大量廃棄に
-
5
相次ぐ情報漏えいの一因に「A2B攻撃」 公開アプリを解析し裏側のサーバを狙う手口、NICTが公表
-
6
国産AI「Sarashina」が無料で試せるWebサイト、ソフトバンク子会社が公開 6つのAIモデルが呼び出せるAPIも
-
7
農水省の“クソダサ”ポスター話題 「AIよりよっぽど良い」の声も 担当者に狙いを聞いた
-
8
PayPay証券、障害で日本株・ETFが売買できず 14日の予約注文も受付止まる 復旧めど立たず
-
9
JR東・京急・東武など鉄道7社、「磁気乗車券」廃止へ 27年春から「QR乗車券」に
-
10
はてな、11億円流出の調査報告書を公開 偽警察、口外禁止、残業・休出200時間超、孤立……ほころびが連鎖
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR