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「arrows」のFCNT、スマホの製造・販売を“速やかに”停止へ ドコモはサポート継続を表明

» 2023年05月30日 17時20分 公開
[山川晶之ITmedia]

 スマートフォン「arrows」シリーズなどを手掛けるFCNTは5月30日、親会社のREINOWAホールディングス、その傘下のジャパン・イーエム・ソリューションズとともに民事再生手続きを申請したと発表した。帝国データバンクによると、2022年3月期時点で、グループ全体の負債は約1432億円におよぶという。

FCNTが掲載した民事再生手続きに関するお知らせ

 同グループが手掛ける事業のうち、シニア向けSNSサービスなどについては複数の事業会社から承継・支援する旨の意向があったものの、プロダクト事業のうち、携帯端末の製造・販売事業、ソリューション事業についてはスポンサー支援の意向が表明されておらず、「本日以降速やかに事業を停止させていただく」という。

 あわせて、携帯端末の修理・アフターサービス事業においても、スポンサー支援がない状況においては継続が困難な状況にあるとして、事業を一旦停止。事業再開については、携帯キャリアを含め関係各位と協議するとしているが、同日にはNTTドコモがサポートを継続する旨を発表した。

FCNT製端末のサポートをドコモが表明

 今後については「スポンサーの意向次第では、これらの事業を再開する可能性もある」としているが、当面は事業停止が続く見込みだという。「弊社といたしましては、裁判所及び監督委員の関与の下、全役職員一丸となって弊社事業の再生に全力を尽くす所存」と表明している。

 同社は、富士通のモバイルフォン事業を前身としており、2016年に富士通コネクテッドテクノロジーズとして分社化。2021年には現社名に変更するとともに富士通グループから独立した。しかし、携帯端末市場の成熟化などにより売上が伸び悩む中、昨今の円安の進行、世界的な半導体不足の影響によって原価・費用が急激に高騰し、REINOWAグループの収益・資金繰りが急速に悪化したとしている。

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