Vlogカメラの先駆者は、ソニーだと言っていいだろう。2020年6月に、「VLOGCAM」と銘打ったカメラ「 ZV-1」を発売した。その直接の後継機となる「ZV-1 II」が、6月23日に発売される。4月にはVLOGCAMの最上位モデルで、フルサイズセンサーの「ZV-E1」を発売したばかりだ。
ソニーのVlog参戦は、実はこれが最初ではない。2009年、当時米国で大流行したインスタントビデオカメラ「Flip Video」によるVlogのムーブメントにいち早く目を付け、「Webbie」というMP4カメラを米国のみに投入した。翌年には「Bloggie」と名前を変えて日本でも発売したが、日本ではVlogという下地がなく、結果惨敗で終わっている。ソニーとしては、10年越しのリベンジというわけである。
パナソニックは2020年7月という早い段階から「LUMIX G100」で参入。ソニーのZV-1とほぼ同タイミングなので、狙いはまさに同じだったのだろう。いいカメラだったが、次の一手が打てずに停滞している。
ソニーは翌年の2021年、レンズ交換式なのにZV-1より安いという「ZV-E10」を投入。これが大ヒット商品となった。
2022年にはニコンが「Vlog撮影に最適」とうたう「Z30」を発売。Zマウントで最小・最軽量で、動画撮影に最適化した。
そこにキヤノンが同社としては今年初めて、「Vlog向け」をうたうカメラ「PowerShot V10」で参入する。発売は6月下旬で、市場想定価格は6万500円前後となっている。
キヤノンは2022年にRFマウントのエントリー機「EOS R7」と「EOS R10」を発売しているが、小型のR10はVlog向きという評判だった。ただメーカー自身がVlogを前面に押し出していたわけではない。
それが今回、デジタルカメラ市場でトップシェアのキヤノンがいよいよVlogへ向けて動き出したことで、改めてカメラ市場の一角にVlogというエリアがあるということが、広く認識されることになった。
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