米Microsoftは6月16日(現地時間)、同月初旬に発生したOutlookやOneDriveのアクセス障害の原因が、同社が「Storm-1359」と命名する脅威アクターによるDDoS攻撃だったと発表した。「進行中のDDoS攻撃の追跡を開始した」。
この攻撃により、顧客データがアクセスされたり流出したりした証拠は確認されていないとしている。
このアクセス障害は、まずOutlookで5日に発生し、約1日で収束した。9日には同様の障害がOneDriveで、10日にはAzure Portalで発生した。
Microsoftは公式Twitterアカウントでのツイートやステータスページで障害対策については報告していたが、DDoS攻撃を受けていることは16日まで公表していなかった。
この攻撃は、「レンタルクラウドインフラ、オープンプロキシ、DDoSツールと組み合わせた複数のVPSへのアクセスを悪用している可能性がある」という。
標的とされたのはOSIレイヤー7だったため、Azureのファイアウォールの調整などでレイヤー7の保護を強化したとしている。レイヤー7は、メールなどのアプリがネットワークにアクセスするレイヤーだ。
Microsoftは新しい脅威分名方式でこの攻撃者をStorm-1359(Stormは発展中の組織を表す)と命名したが、Bleeping Computerはこの攻撃者は一般的に「Anonymous Sudan」として知られているグループだと指摘した。
このグループは5月ごろからスカンジナビア航空やTinder、Lyftなどに攻撃を仕掛け、攻撃停止の代金を要求している。Anonymous SudanのTelegramアカウントは6日、Microsoftに100万ドルを要求した。
Anonymous Sudanのアカウントは18日、「Microsoftがわれわれの攻撃だったと認めた」と投稿した。
このアカウントは英語とアラビア語で投稿しているが、スーダンと関係があるかどうかは不明だ。
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