SIGMAから発表された「14mm F1.4 DG DN | Art」。ついにF1.4に突入した超絶スペックの超広角レンズです。すでにそうアナウンスされているように星景写真向けレンズとして開発されています。
星景写真向け。つまり大げさにいえば、地球の外からの光と大気圏の光を可能な限り広く、かつゆがみのないように撮像するために作られたレンズです。
ということで、私は当初、これは星景写真に特化したお化けスペックレンズで、人里離れた漆黒の闇に行くことも辞さない愛すべき皆さんのための、つまりは普段使いとはほど遠いレンズだと思ってました。
その認識が変わったのはスペックを見たときです。これだけの広角と光学性能を持ったレンズですから、もちろんそれなりの大きさと重さのレンズです。
でも、驚いたことに「14mm F1.8 DG HSM | Art」と比べて実は軽くなっているのです。これはちょっと意味が分かりません。
重さの比較でいうと、15gの差でしかありませんが、レンズというのは明るくなればなるほど、重量が増えて当たり前です。しかも、F1.4とF1.8では数字上は0.4の差でしかありませんが、それを実現させるために、これまでレンズメーカーはやむなく重さを犠牲にしてきたのです。
高性能なのに軽くなった……この事実を知ってしまうと、これはレンズ沼の民としては、当初考えていなかった撮影ができるのではないかという変なスイッチがオンになってしまうのです。
星景写真向けに作られた少ない光量に対応できる、つまりシャッタースピードがかせげるレンズを街中の夜景を手持ちで撮影してみたいという欲求が一気に吹き上がってしまったわけです。SIGMAもこの手のレンズは「超広角ハイスピードレンズ」と説明していますね。
そんなわけで、今回SIGMAにご協力いただいて、「14mm F1.4 DG DN | Art」「20mm F1.4 DG DN | Art」「24mm F1.4 DG DN | Art」とボディは「fp L」で撮影してきました。そして、ここまで前振りしたように、今回撮った写真は全部手持ちでフルオートでの撮影です。
手持ちの撮影のメリットも一応確認しておきましょう。
当たり前の話しかしてませんが、これができるかどうかで人生における撮影機会は格段に増えるのです。趣味で写真を撮る人たちにとって、これはとにかく最重要課題です。
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