自転車タイプの電動モビリティを製造販売するENNE(東京都千代田)は7月24日、ペダル付きの特定小型原動機付自転車(特定原付)「ENNE T250」の仕様を公開した。ペダルをこぐと車輪が回るのではなく、発電機を動かしてモーターに電力を供給する仕組みとした。
駆動用のモーターは250Wなのに対して発電機は350Wとした。これはユーザーのペダルをこぐケイデンス(回転数)に応じ、扱いやすい速度帯で走行できるように調整したため。電子制御により時速20km以上にはならないが、「航続距離が大幅にアップする」としている。
ENNEは「発電された電力はバッテリーを介さず直で駆動用モーターに行く仕組み。こいだらこいだ分だけ進むことにより、ユーザーは直感的に自転車に近い感覚で運転できる」としている。
ペダル付きの特定原付を巡っては、警察庁が「ペダルによる人力走行を行った場合でも時速20kmを超えることができてはならない」という解釈を明らかにしたため、当初は自転車のようにペダルをこいでスピードが上げられる構造を検討していたメーカー各社は方針転換を余儀なくされた。
その後、特定原付以外の車両区分として販売するメーカーや、ペダルを廃し、ただの“足置き”にするメーカーが登場。一方、既にT250の予約を受け付けていたENNEは一部仕様を非公開としつつ「商品ページに書いてある内容はすべて実現する」「ペダルでこいだ時にも時速20km以上は出ない」と含みを持たせていた。
ENNEは「特許の関係もあり、未発表の部分もあったが、7月21日付で無事特許出願が完了したため詳細を公開した。T250のペダルは単なる足置きではない」とし、他社製品にはない唯一無二の構造として訴求する考え。
特定原付は7月1日に施行された改正道路交通法で新しくできた車両区分。最高速度が時速20km以下、保安基準などの条件を満たしていれば16歳以上は免許不要で乗車できる。
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