いよいよ年末の雰囲気になってきた。先週5日には、ChatGPTの新プラン「ChatGPT Pro」が登場。上位モデルの「o1 pro mode」は月額200ドル(1ドル150円換算で3万円)もする。
高すぎるよね。
と思い付つ、普段からAI(主にClaude3)を仕事に使っている筆者は興味津々だった。「o1 pro mode」はめちゃくちゃ賢くて、Claude3よりさらに仕事が効率化しちゃうんじゃない? と。
使ってみたくてたまらなかったが、「3万あればAirPods買えるぞ」「家族キャンプでいいコテージに泊まれる」などとためらう。3日間迷い抜いた末に「使ってみない限り、憧れが止められない」と、課金することにした。
3万円、3万円……と思いながら課金画面にアクセスしたが、実際の費用は「200ドル」。200という数字が軽すぎて、3万円のモノをAmazonで買うときより、あっさり課金ボタンをポチってしまった。ただ、1カ月で課金が切れるようにキャンセルしておくことは忘れなかった。
「o1 pro mode」の使い勝手は、ITmedia AI+の吉川記者の記事に詳しい。(月額3万円のチャットAI「o1 Pro mode」に引っ掛け問題を出しまくってみた、OpenAIのフルパワー「o1 pro mode」に、書き仕事はどこまで任せられるか 若手記者の所感)。
筆者も、記事タイトルの提案してもらったり、インタビューを整えたりするのに使ってみた。これまでのAIとは「違う」と確かに感じる。タイトルは「なるほど、そういう表現があったか!」と感心するような案を出してくるし、文章の整形もうまい。
ただ、文章を書かせると「一見して整っているが、創作が多く入りがち」なのは低位のChatGPTモデルとあまり変わらない印象も。Claude3と比べて特別に良いわけでもなさそう……というのが、数時間使ってみた現時点での感想だ。
他の利用者の感想を見ていると、数学や物理といった理系的な仕事をさせると、賢さの向上を強く感じるようだ。文章を書かせるより、ロジックや計算に向いていそうだ。
AIに3万課金してみて、AIによる格差拡大の予兆をさらに強く感じた。
筆者が今回3万円を出せたのは「年末に経費を使いたいベテラン個人事業主」として、余裕がたまたまあったから。だが、学生や駆け出しフリーランスなどには、3万円のハードルは高い。
今後「AIで確実に効率が上がる」世界が広がっていくとしたら、AIにお金を出せる人がどんどん仕事を効率化し、そこに富が集まっていくだろう。
筆者が初めてインターネットに触れた25年ほど前は、技術が上下関係をフラットにし、社会を平等にするものだ、と思っていた。でも今は、その逆方向に、どんどん進んでいってるような気がする。
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