消費税のインボイス制度が10月1日にスタートすると、対応のための新たな業務が発生し、全国で毎月約3400億円の人件費が発生する可能性がある――電子帳簿サービスなどを提供するLayerXがこんな調査結果を発表した。
政府はインボイス制度により年間約2500億円の税収増を見込んでいるが、わずか1カ月で想定年間税収を上回るコストがかかる計算だ。
手作業によるインボイス対応を体験できるLayerXのツール「インボイス制度対応 体験キット」を使った研修を行った40社・200人の作業時間を基に、請求書の支払処理と経費精算の処理に関わる平均時間を算出した。
その結果、手作業でインボイス対応を行った場合の作業時間は、請求書支払処理で1件当たり15分、経費精算で同5分増えていた。
この作業時間をベースに、経理1人当たりの追加業務負担を計算したところ、月約1〜2営業日増加することが判明。経理以外の従業員も、1人あたり月約7分、日本全体で月約1.4億時間の負担増なる。
このデータと国の賃金統計を掛け合わせ、制度対応にかかる人件費を算出したところ、日本全国で毎月約3413億円の人件費がインボイス対応コストとして発生する可能性があるとの結果が出たという。
同社は「インボイス制度は、経理だけでなく従業員の業務にも大きな影響・負担が発生する」と指摘している。
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