イーロン・マスク氏が2016年に創業したBMI(Brain Machine Interface:脳マシンインタフェース)企業の米Neuralinkは9月19日(現地時間)、初の人体治験に参加する患者募集を開始するための独立審査委員会から承認を得たと発表した。6年かかる治験への参加募集を専用ページで開始した(日本からは応募できない)。
同社は5月に米FDA(食品医薬品局)から臨床試験の認証を取得済みだ。
この治験は、頸髄損傷または筋萎縮性側索硬化症(ALS)による四肢麻痺のある人が対象。参加者は、Neuralink独自の手術ロボットを使って脳の運動を制御する領域に「N1」と呼ぶBCIを埋め込まれる。思考だけでPCのカーソルやキーボードを制御できるようにするのが目標だ。
N1は手術後は外からは見えなくなり、被検者の脳信号は意図を解読するアプリに無線で送信される。
この人体治験はPRIME(Precise Robotically Implanted Brain-Computer Interfaceの略)Studyと呼ばれ、障害のある人の自律性を回復するためのインタフェースを構築するための「重要な一歩」としている。
マスク氏がこれまで語ってきたゴールはさらに、テレパシーや脳とAIの相互作用を可能にする包括的なBCIの構築だ。
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