ITmedia NEWS > 企業・業界動向 >

スタジオジブリ、日テレが子会社化 宮崎監督は名誉会長に 「後継者問題で悩んでいた」

» 2023年09月21日 16時38分 公開
[本田亜友子ITmedia]

 日本テレビホールディングスは9月21日、連結子会社の日本テレビ放送網が、アニメ製作会社のスタジオジブリを子会社化すると発表した。日本テレビの福田博之専務がスタジオジブリの社長に就任する。

日本テレビの杉山美邦代表取締役会長(写真=左)とスタジオジブリの鈴木敏夫代表取締役社長(右)。「金曜ロードショーとジブリ展」のもの(プレスリリースより)

 日本テレビは、スタジオジブリ株式を複数の個人株主から譲り受け、議決権ベースで42.3%の株式を10月6日付で取得する。これまでジブリの社長を務めてきた鈴木敏夫プロデューサーは代表取締役議長、宮崎駿監督は名誉会長に就任する(崎はたつさき)。

 両社によると、スタジオジブリは長らく後継者問題に悩まされていたという。宮崎駿監督は82歳、鈴木プロデューサーも75歳。これまで後継者候補として宮崎監督の長男で自身も映画監督である宮崎吾朗さんの名前が上がっていたが、吾朗さんは「1人でジブリを背負うことは難しい」と固辞してきたという。

 スタジオジブリは経営を誰かに任せられないか検討し、付き合いのあった日本テレビに相談。話し合いの末に今回の決定に至ったとしている。

 日本テレビは1985年に「風の谷のナウシカ」をテレビ初放送して以来、映画番組「金曜ロードショー」を通じてスタジオジブリ作品を放送。「魔女の宅急便」(1989年)からは映画製作に出資し、2001年に開館した「三鷹の森ジブリ美術館」の設立も支援した。

 両社は「日本テレビはスタジオジブリの自主性を尊重し、スタジオジブリは今後ともアニメーション映画の制作、ならびにジブリ美術館、ジブリパークの運営に専念していく」 としている。

スタジオジブリの新しい経営体制。鈴木敏夫さんは代表権のある取締役議長という肩書きに

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.