4年ぶりに千葉・幕張メッセ全館を使っての開催となったゲーム展示会「東京ゲームショウ2023」。出展者数も過去最大の787社(オンライン出展を含む)。別記事でも説明した通り、現地はなかなかの活気だ。
主には大手ゲームメーカーなどが注目を浴びていたが、一方で周辺機器などゲーム関連製品のブースもにぎわっていた。中でも個性的だったのは、家具などが並ぶ「ゲーミングライフスタイル」コーナー。ニトリなどが出展し、ゲーミングチェアやデスクなどを展示していた。
出展社によると、こういったゲーミング家具はコロナ禍の巣ごもり需要を経て人気が高まっているという。本記事では各社の声を交えつつ、現地の展示を写真で紹介する。
冒頭でも紹介したニトリは、椅子や机など単一の家具ではなく、部屋のコーディネートをそのまま展示。計4種類のコーディネートを紹介していた。
同社の三宅康介さん(商品部 家具販促ディレクター)によれば「コロナ禍の在宅勤務や巣ごもり需要の影響で市場全体が拡大しており、ニトリでもゲーミング家具の売り上げが前年比1.5倍ほどになっている」という。一方、従来のマーケティング・広告手法ではゲーミング家具のターゲット層である10〜20代のゲーマーに届かないので、東京ゲームショウに出展して認知を広げるという。
「ニトリの本来の客層は30〜40代が多い。ただゲーミング家具は若い人がターゲットで、コマーシャルではなかなか訴求しにくい。ゲームショウでは、ニトリもゲーミング家具を扱っていることを若い人にも認知してもらい、ライフステージが変わるタイミングで選択肢に加えてもらいたいと考えている」(三宅さん)
一方で競争も激化しているという。ニトリは家具小売大手として、単一の商品ではなく複数の家具を組み合わせて提案できる強みを生かし、他社との差別化を図る方針だ。
同じくゲーミング家具ブランド「バウヒュッテ」を手掛けるビーズ(大阪市)も、自社で販売する製品を使ったデスク環境のサンプルを展示。椅子に座ってみたり、記念撮影をしたりする人も多く、ブースは賑わいを見せていた。
「現状は、コロナ禍で高まった需要が高止まりしているような状況。コロナ禍初期に購入した家具の買い替え需要も見込める」と同社の八巻信さん(バウヒュッテ事業部)。同社はECサイトでの商品販売を基本としてはいるが、直接製品を確認してもらえるリアルイベントも重視しており、久しぶりの全館開催ということもあって東京ゲームショウ2023への出展に至ったという。
ゲーミングライフスタイルコーナーではこの他、防音室の展示も目立った。巣ごもりにより、大きな音を出してゲームを遊びたい需要や、いわゆる「ゲーム実況」を自分でもやってみたいという需要が高まっているという。
組み立て式の簡易防音室を手掛けるCoolish Music(横浜市)もその1社だ。同社はゲームショウで、ゲーマー向けの組み立て可能な簡易防音室「OTODASU DEKA-G」などを展示。実際に中に入ってゲームを遊べるスペースを設けていた。
同社広報の清水英里子さんによれば、同社はもともとミュージシャン向けの防音室を手掛けていたが、ここ数年でゲーム向けの需要が増加しているという。
「ここ何年かでゲームでの需要が高まっている。体感だが、コロナ禍前後で防音室の需要が倍くらいになった。購入した人からは『はやりのオンラインゲームを大きな声を出して遊びたい』という声が多い。とはいえ、賃貸では本格的な防音室は導入しにくいので、組み立て可能な製品を提供している」(清水さん)
この他、同コーナーでは防音と高速インターネット回線をうたう「ゲーミングマンション」なる賃貸を紹介するブースもあった。こちらも現地の担当者に取材したので、別途記事にて紹介する。
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