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「エヴァ第3新東京市」「関空」など1/80サイズで再現 世界最大級のミニチュアテーマパーク「SMALL WORLDS TOKYO」 来春オープン

» 2019年08月07日 18時45分 公開
[井上輝一ITmedia]

 アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」に登場する架空の都市「第3新東京市」や、飛行機の撮影スポットで有名な「関西国際空港」など、7つのエリアを80分の1サイズで再現した屋内型ミニチュアテーマパーク「SMALL WORLDS TOKYO」が2020年春、東京都江東区有明にオープンする。年間200万人の来場を見込む。

格納庫で立つエヴァンゲリオン初号機のミニチュア
第3新東京市のミニチュア
2020年春オープン予定の屋内型ミニチュアテーマパーク「SMALL WORLDS TOKYO」

動く「第3新東京市」 射出されるエヴァ3機 夕焼けや夜景も再現

 テーマパークの床面積は約8000平方メートルで、東京ドームのグラウンド部分の約6割と同じ広さだ。中には「関西国際空港エリア」「スペースセンターエリア」「世界の街エリア」「美少女戦士セーラームーンエリア」「エヴァンゲリオン 第3新東京市エリア」「エヴァンゲリオン 格納庫エリア」「東京エリア(仮)」を展示する。

関西国際空港エリア作中の1シーンを再現したかのような、第3新東京市の集光ビル群 関西国際空港エリア(左) 作中の1シーンを再現したかのような、第3新東京市の集光ビル群(右)
スペースセンターエリアスペースセンターエリア スペースセンターエリア ロケットの発射を再現
セーラームーン世界の街 「美少女戦士セーラームーン」の舞台である麻布十番(左) どこかで見たことがあるようで、どこにもない「世界の街」エリア(右)

 各エリアのミニチュアの周囲にはスクリーンを設け、夕焼けや夜景を演出。約30分で1日の時間の流れを再現する。各建造物にはLEDを施し、街明かりに見立てた。通路側に設けられた各種ボタンを押すことで、ミニチュアのさまざまな箇所が動作するギミックも用意した。

 エヴァンゲリオン第3新東京市のミニチュアは、作中同様にビル群が昇降する。1日が過ぎる中で、深夜0時には劇中に登場する「ヤシマ作戦」の演出が行われるという。ARアプリも開発中で、スマートフォンの画面越しに使徒の襲来シーンなどを街中に再現する計画だ。

 第3新東京市は箱根が舞台であることから、実在する箱根登山鉄道など街中を走る鉄道も動く。一般的な鉄道模型の展示と同様に、ボタンで鉄道を操作できるようにした。

 格納庫にはエヴァンゲリオン零号機、初号機、弐号機の3機を用意。格納庫から各機がレールで射出されるギミックを楽しめるという。

エヴァンゲリオンエヴァンゲリオン エヴァ初号機の目が光るギミックも 地上への射出口

展示にガラス設けず ドリンクこぼれたら「それも演出」

 ミニチュアを撮影する楽しみを提供するため、ミニチュアの展示にガラスによる仕切りは設けない。さらに、ドリンクを飲みながらの観覧もできるという。

 設置したフィギュアが無くなったり、ドリンクがこぼれたりするのではないかという懸念については、「人がいなくなったら街中で『○○さんが行方不明になっています』と表示する。ドリンクがこぼれたら『現在水漏れが起きています』といった立て看板を街中に出す。本当の街で起きた事故と同じような演出をする」と、同施設を企画・製作するSMALL WORLDS(東京都港区)の近藤正拡社長は説明する。

SMALL WORLDS(東京都港区)の近藤正拡社長

 通常の入場券(価格未定)の他、街中に来場者自身のフィギュアを置ける「住民権付きフィギュアプログラム」も1万9800円も販売する(18歳以下は1万7600円、いずれも税込)。会場入場時に、ミニチュアの国への「出国ゲート」に見立てた全身3Dスキャナーで来場者をスキャン。80分の1サイズのフィギュアとして出力されたベースモデルに来場者自身が彩色する。彩色したフィギュアは、エヴァンゲリオン第3新東京市内で自身が希望したエリアへ設置できる。

フィギュアフィギュア 「出国ゲート」に見立てた全身3Dスキャナー(左) 自身のフィギュアが街に配置される

成長する余暇市場 働き方改革で空いた「平日」狙う

 SMALL WORLDSの福田太一副社長は、新たに屋内型ミニチュアテーマパークを開設する理由として、「余暇市場の成長」「欧米でのミニチュア人気」「元東京ディズニーランド総合プロデューサー堀貞一郎氏の遺志」を挙げる。

 「遊園地やレジャーランド、テーマパークなどの17年の成長は2.6%。働き方改革の影響もあり、丸々1日空くような休みより平日夜などに休みが増えている」(同)と、平日にも楽しめるような都市型テーマパークの需要が今後伸びるとの見方を示す。SMALL WORLDS TOKYOは「2時間強あれば十分楽しめる」という。

 「さらに、ドイツやフランス、米国でミニチュアテーマパークが人気を博している背景から、外国人観光客の来場も見込める」と、世界的にもミニチュアテーマパークの機運が高まっていると指摘する。

 市場で需要が高まっているという外的要因の他に、内的要因として、ある故人の発想がSMALL WORLD TOKYOの原点にあるという。

「年間200万人×15カ所ならTDLに迫れる」

 発想の原点となったのは、元東京ディズニーランド(TDL)総合プロデューサーの故・堀貞一郎氏の考え。近藤社長は「堀氏は『もうTDLを超えるテーマパークは作れないだろう。しかし年間200万人を動員するパークを世界に15カ所作ることができればTDLに迫るのではないか』という考えを持っていた」と明かす。

元東京ディズニーランド(TDL)総合プロデューサーの故・堀貞一郎氏の発想が基になっているという

 堀氏がTDLプロデュース後に設立したレジャー施設プロデュース会社ザ・ランド・アソシエイツ(東京都世田谷区)を近藤社長が継承し、同社がSMALL WORLDSの筆頭株主となっているという。

 こうした堀氏の発想に基づくプロジェクトであることから、東京にとどまらず、世界中への展開を既に計画している。22年には沖縄に同様のミニチュアテーマパークを開く。「1年に1カ所のペースで世界各所に開業していきたい」(近藤社長)と展望を語った。

記者会見で展示されたJALの飛行機記者会見で展示されたJALの飛行機 記者会見で展示されたJALの飛行機の素体(フルカーボン) エンジンの羽も回っている 1機体の制作費用は200万円だという

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