米AWSが4月に発表し、9月末に正式サービスを始めた生成AIサービス「Amazon Bedrock」。海外ではすでにいくつか活用事例が出ているが、日本でもその性能を検証する企業が出てきている。例えば竹中工務店は10月3日、Amazon Bedrockを活用し、専門的な質問に回答できるAIチャットbot“デジタル棟梁”を構築する取り組みについて明らかにした。
Amazon Bedrockは、Amazonの大規模言語モデル「Amazon Titan」、米Anthropicの「Claude 2」、イスラエルAI21 Labsの「Jurassic-2」、画像生成AI「Stable Diffusion」などをAPI経由で利用できるサービスだ。各APIを活用したチャットbotの作成・テキストの要約など、さまざまな用途に利用できる。
竹中工務店は、同サービスと機械学習を活用したAI検索サービス「Amazon Kendra」、ストレージサービス「Amazon S3」を併用。Claude 2で構築したAIチャットbotが、KendraがS3内から検索してきた仕様書や技術ノウハウ集などを基に、ユーザーの回答に答えられるようにしたという。
SIerのクラスメソッド(東京都港区)も同様の実証実験について結果を発表した。同社もKendraとAmazon Bedrockと併用した社内ヘルプデスクを開発し、9月初旬に利用を開始。実際に総務・労務・経理・法務といった分野の社内問い合わせ対応に20日間活用し、計500件以上の問い合わせに対応した。社員に取ったアンケートでは7割以上が「回答が役に立った」と答えたという。
クラスメソッドは生成AIの活用支援事業を手掛けており、同様の環境を顧客にも提供する方針。ただし、活用するAIについてはAmazon Bedrockに限定せず、ChatGPTなどを取り入れる可能性もあるという。
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