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179億円調達の法務SaaS企業、経営陣の本棚を覗き見  愛読書は?IT経営者の本棚(4/4 ページ)

» 2023年10月11日 17時30分 公開
[吉川大貴ITmedia]
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奥村友宏執行役員・法務開発責任者/弁護士の本棚

読んでいる本の傾向

 ジャンルに特に強いこだわりはなく、SNSで話題になっている本や「これ面白いよ」と人から勧められる本を読むことが多いです。話題になっていると、ジャンルの好き嫌いとは関係なく、好奇心から読むこともあります。

 特徴として挙げられるのは、自分のバックグラウンドの関係もあって、法律に関連する本を読むという点です。しっかり読みたいときには物理的な本を買うことが多いですが、すぐに読みたいと思ったときには電子書籍を利用しています。

特に気に入っている・印象に残っている本

 1冊目は「NO RULES 世界一『自由』な会社、NETFLIX」(リード・ヘイスティング著)です。この本では、Netflixが大事にしているカルチャーについて、過去のNetflixでの事柄を振り返りながら語られます。提示されるカルチャーに驚かされるのですが、Netflixのエピソードを通すことで、その合理性が見え、そのカルチャーがふと腹落ちする不思議な本です。

 例えば、報酬の考え方に関する一節では、一見は合理的な報酬形態とも思える「業績連動型のボーナスを用意する」ことは最もやってはいけないことだと言い切っています。この理由として、「その時点で会社にとって何が最善か」を忘れて社員が目標達成に集中してしまうということなどが挙げられています。状況の変化に柔軟に対応することの重要性は日々実感することですので、自分に置き換えて腹落ちする部分も多く、固定観念にとらわれないことの重要さを改めて実感する本です。

 2冊目は「ChatGPTと法律実務」(松尾剛行著)です。この本では、昨今話題となっているChatGPTの法務・弁護士業界への影響が論じられています。ChatGPTと法律に関しては、法規制との関係の問題点という議論や本が多い中、この本は未来を見据えた、読んでいてワクワクする内容が展開されています。

奥村さんのプロフィール

 慶應義塾大学法学部法律学科卒。米デューク大学(法学修士)修了。11年弁護士登録、18年ニューヨーク州弁護士登録。長島・大野・常松法律事務所を経て、20年4月入社、23年4月より現職。


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