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実は冬場に急増するスマホの「バッテリー交換」トラブル カイロやストーブにも注意

» 2023年11月06日 15時47分 公開
[産経新聞]
産経新聞

 11月に入り、寒暖差の大きい日が増える中、意外にもこれからの寒い時期にかけて増えていくのが、スマートフォンのバッテリーを巡るトラブルだ。トラブルが増える要因として、温度が下がるとバッテリーの性能が低下するため、減りの早さが顕著に現れるという。電子機器の修理などを行う会社には「フル充電してもあっという間になくなってしまう」「バッテリーが発熱する」といったトラブルによるバッテリーの交換件数が11月から徐々に増え始め、12〜1月にはピークを迎えるといい、注意を呼びかけている。

photo スマートフォンのバッテリー交換作業の様子(日本PCサービス提供)

 デジタル機器の修理や設定などのサポート業務を手掛けている「日本PCサービス」(大阪府吹田市)によると、同社のグループ会社が2022年に取り扱ったバッテリーの交換件数は、8月は929件、9月は1587件、10月は1783件と推移。しかし、11月には1855件と増加傾向になると、12月には2488件、年が明けた23年1月には2241件と2000件台に突入した。

 同社によると、スマホのバッテリーは5〜40度の環境での使用が想定されているといい、寒い時期に放電量が減る要因として「バッテリーは化学反応によって電気を取り出す仕組みだが、気温が下がることで化学反応が鈍り、本来の性能を引き出すことができなくなる」と指摘。また、温度差によって結露が発生すると、スマホが故障する可能性もあることから「カイロやストーブなどに近づけ過ぎたりしないように、外気温と建物内の温度差にも注意が必要」だという。

 同社は「最近のスマホ端末の高騰による買い替えを控える動きや、今夏の猛暑によってバッテリーの劣化が進んだスマホが例年より多いことが予想される」とした上で「省エネモードなどの機能も活用して、(バッテリーを)長く使う工夫が必要」とアドバイスしている。

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