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動画の「あー」「えーと」を自動削除 「Premiere Pro」新機能はどれほど使えるか、実際に検証してみた小寺信良の「プロフェッショナル×DX」(2/3 ページ)

» 2023年11月15日 09時00分 公開
[小寺信良ITmedia]

日本語のフィラーにも対応

 今回は素材として、筆者と西田宗千佳氏が共同で発行しているメールマガジン内の動画コンテンツを使用してみる。筆者は割とフィラーワードの多いしゃべり方をする。気をつけようとは思っているが、悪いクセはなかなか抜けないものだ。よってこの機能が実用的であるなら、ありがたい。

 まず素材を読み込むとタイムラインに配置され、文字起こしが促される。文字起こしを行うところまでは、23年5月に公開された公式バージョンと同じである。

素材を読み込み、文字起こしを行なうところまでは同じ

 「文字書き起こし」ウィンドウ内にあるフィルターをクリックすると、「つなぎの言葉」という選択肢がある。これを選択すると、文中に「filler」と書かれた部分が選択されている。これがフィラーワードを検出した部分だ。再生してみると、「えー」や「あのー」といった部分を検出しているのが分かる。

「つなぎの言葉」でフィルタリングする
実際の再生画面。フィラーワードが検出されているのが分かる

 ここでウィンドウ内の「削除」ボタンをクリックすると、右側に「全て削除」と「削除」ボタンが現われる。「全て削除」を選択すると、検出されたフィラーワードが全て削除されるというわけだ。

削除のパターンを選択する
フィラーワードを削除した結果

 しゃべり出しだけでなく、言葉の中にあったフィラーワードも削除されている。こうした編集は、その場所が編集点であればついでにカットしてしまうことはあるが、一連のしゃべりの中でそこだけをいちいち手作業でカットするということは、普通は行われない。

 理由としては、2つある。まず作業として手間がかかりすぎるというところが1つ。もう1つは、特に重要な編集点でもない部分にジャンプカットが頻出してしまい、コンテンツとして見辛くなるからだ。

 ただ2番目の理由は、YouTubeなどのネット動画ではもはや気にする人も少なくなっており、細かい音編集は当たり前のものになっている。編集したことを隠したがるのは、もはやテレビコンテンツだけになりつつある。

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