米OpenAIは11月21日午後10時半頃(米国時間)、17日に事実上解任したサム・アルトマンCEOの復帰と、新たな初期段階の取締役会のメンバーを公式X(旧Twitter)アカウントで発表した。
新取締役会のメンバーは、留任するアダム・ディアンジェロ氏(39)、元SalesforceのCEOで取締役会長に就任するブレット・テイラー氏(43)、経済学者のラリー・サマーズ氏(68)の3人だ。
本稿では新取締役のプロフィールを簡単に紹介する。
アルトマン氏は現段階ではCEOに復帰するのみで、取締役には就任していない。OpenAIは、今後取締役を追加していく計画としている。
ディアンジェロ氏は米Facebook(現Meta)の初期(2004年)からのメンバーで、2006年から約2年間同社のCTO(最高技術責任者)を務めた後、米Quoraを立ち上げ、現在もCEOを務めている。米Bloombergによると、ディアンジェロ氏は一連の騒動の間、旧取締役会とアルトマン氏のパイプ役を務め、アルトマン氏復帰に貢献したという。
同氏が運営するQuoraは、日本語にも対応するAIチャットボットアプリ「Poe」をリリースしている。
ブレット・テイラー氏は、米GoogleやFacebook(現Meta)を経て2012年にソーシャルワープロのQuipを立ち上げ、2016年にQuipがSalesforceに買収された際に同社入りした。2021年に取締役副会長兼共同CEOに就任したが、2022年に辞任し、今年1月にSalesforceを退社した。
2月にはGoogleで長年AR/VRに携わってきたベテランエンジニアのクレイ・ベイバー氏と「ビジネスにおける問題を解決するためにAIを適用する新会社」を設立すると発表している。
また、2016年から米Twitter(現X)の取締役を務め、ジャック・ドーシーCEOの退任に合わせて会長に任命されたが、同社を買収したイーロン・マスク氏により、他の取締役とともに解任された。
ラリー・サマーズ氏はMITで物理学を学んだ後経済学も学び、ハーバード大学大学院で経済学の博士号を取得し、同大学の教授となった。その後、クリントン政権で財務長官を務め、ハーバード大学の学長も務めた。学長を務めた期間に女性には数学と科学に対する本質的な適正が欠けている可能性があると発言し、後に謝罪したがそれをきっかけに学長を退任した。
サマーズ氏は現在、ジャック・ドーシー氏が立ち上げた米モバイル決済企業Block(旧Square)の取締役も務めている。
同氏はAIについて、50年から100年後には米国の雇用がAIに取って代わられると公言している。
なお、20日にOpenAIのCEO指名を受けたエメット・シア氏の名前は挙がっていない。同氏はアルトマン氏のCEO就任発表後、「約72時間もの集中的な作業を経て、この結果に心から満足している。(中略)解決策の一部になれたことを嬉しく思う」とポストし、「55時間32分間のCEOって、最短記録???」ともポストした。
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