Xに現れる“ゾンビ”の正体 「リプライゾンビ」「インプレゾンビ」はなぜ、意味のないリプライを繰り返すのか
X(旧Twitter)に最近、大量の“ゾンビ”がわいている。「リプライゾンビ」「インプレゾンビ」などと呼ばれるゾンビだ。
“本物”のゾンビではない。バズった投稿に意味のないリプライを繰り返すbot群を指す言葉だ。ゾンビたちは、フォロワー数の多いニュースアカウントの投稿などによく出没する。
例えば、Yahoo!ニュース公式アカウントが11月30日に投稿した、「【記事に対価 Googleとカナダ合意】」という内容のリプライ欄には、「きちんとしたきれいなラインとシャープな色」「サインが大好き」「Smile」など、記事と無関係な返信が、数分以内に大量についた。
こうしたリプライは、投稿に直接関係ない内容だったり、絵文字だけだったり、投稿と言語が違ったりするのが特徴。またほとんどが、青いチェックマーク付きの有料アカウントによるものだ。一般ユーザーのコメントをコピーして“パクリプ”するゾンビもいる。
元の投稿者や一般のXユーザーにとっては邪魔で、何もメリットがないように見えるリプライだが、ゾンビたちの目的は何なのだろうか。
広告収益狙ってわくゾンビ
ゾンビたちの目的は、ズバリ“お金”だと思われる。バズツイートに機械的にリプライを行うことで、Xから広告収益を得られる「Creator Ads Revenue Sharing program」を利用し、金銭を得ようとしているようだ。
Xの広告収益プログラムは、条件を満たしたユーザーが、自身の投稿の返信欄に表示される広告収入の一部を得られる仕組みだ。イーロン・マスク氏の肝いりで、2023年8月にスタートした。
プログラムへの参加条件は、(1)フォロワーが500人以上、(2)過去3カ月の投稿に対するインプレッションが500万件以上、(3)有料サービス「X Premium」を利用中、または認証済み組織に参加している――こと。
バズったツイートにいち早くリプライすると、リプライ一覧の上部に表示され、バズツイートが閲覧されるたびにインプレッションが稼げる。注目されるツイートを工夫しなくても、(2)の資格を得やすくなる。
「リプライゾンビ」「インプレゾンビ」たちのアカウントは、(3)の認証アカウントであることがほとんど。リプライにより(2)の条件を満たした上で、フォロワーを増やせば、すべての条件をクリアし、広告収益プログラムを通じて収入を得られるというわけだ。
なぜ“ゾンビ”?
「ゾンビ」の呼称が使われるのは、そのアカウントが生身の人間ではなくbotによって運用されていると思われるためだ。リプライの内容も空虚なものがほとんど。人ではなく、中身も空っぽなところが、ゾンビのイメージと合う。
ここ最近は、バズったツイートのリプライがゾンビたちに埋め尽くされることが多い。大手ニュース媒体の公式アカウントはリプライゾンビだらけで、リプライ欄の存在意義が揺るがされている。
Xの広告収益プログラムは始まった当初から、有害なbotを増やすリスクが指摘されてきた。マスク氏にはそろそろ、リプライゾンビを退治してほしいのだが……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
日本人の大腸がん、約半数に“腸内細菌の毒素”が関与 40歳以下の発症は7割 東大・阪大が200人を全ゲノム解析
-
2
「コミューン」不正アクセスでLINEヤフー、Sansan、パナソニックでも会員情報漏えいの可能性
-
3
「お前たちのクラウドはわれわれのもの」 IDCFクラウドの管理画面に出た攻撃者のメッセージ 内容に運営元は
-
4
「男は狩り、女は採集」はどこまで本当? 約8割で女性も狩り、乳児連れの例も 過去100年の狩猟採集社会を調査
-
5
新作映画「バイオハザード」公開で原作ゲームも大盛り上がり? 劇場でマンガ家が頷いた、その理由とは
-
6
農水省の“クソダサ”ポスター話題 「AIよりよっぽど良い」の声も 担当者に狙いを聞いた
-
7
JR東日本、「えきねっと」「ビューカード」などで漏えいか メルアドなど最大609万件 IDCFへの不正アクセスで【追記あり】
-
8
IDCFクラウド障害、親会社のソフトバンクが顧客窓口に 調査・復旧も支援
-
9
AnthropicのAI、未解決殺人事件で警察に虚偽の情報提供 米政権は「通知と是正は義務」と警告
-
10
ココナラ、会員の履歴書など2294件漏えい スキルマーケットに不正アクセス
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR