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羽田空港事故、報道やSNS発信は「憶測・想像を排除して」 パイロットなどの民間団体が要望

» 2024年01月05日 11時03分 公開
[岡田有花ITmedia]

 航空機のパイロットや客室乗務員、管制官などの労働組合で構成する民間団体・航空安全推進連絡会議(JFAS)は1月3日、羽田空港で2日に起きた事故をめぐり、刑事捜査ではなく事故調査を優先するよう求める緊急声明を出した。

 正確な調査を実現するため、報道関係者やSNSで発信する一般の人にも、事故についての憶測や想像を排除し、正確な情報を扱うよう要望している。

画像 声明全文

 2日の事故では、日本航空(JAL)機と海上保安庁の航空機が衝突し、海保機の乗員6人のうち5人が死亡した。警視庁は、業務上過失致死傷容疑も視野に捜査を進めていると報じられている。

 同会議によると、日本で航空機事故が発生した場合、警察が事故原因を特定することが通例になっているが、これによってかえって原因究明に大きな支障をきたした事例がいくつもあったという。

 航空機事故の原因は複合的な要因が潜在しているため、国際民間航空条約(ICAO条約)は、事故原因の調査と再発防止を原則にしている。ICAO条約に批准している日本でも「最も優先されるべきは事故調査であり、刑事捜査ではない」「調査結果が再発防止以外に利用されるべきではない」と強く主張している。

 同会議は1960年代に相次いだ航空機事故を契機に発足し、国内での航空機事故の撲滅を目的として活動してきた。日本航空乗員組合やANA乗員組合、英国航空労組といった国内外の航空関連労働組合が加盟している。

画像 JFAS加盟団体

【訂正履歴:2024年1月5日午後5時 記事掲載当初、JFASの表現に基づいてICAOを条約と表現していましたが、正確にはICAOは機関の略称であることから表記を改めました】



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