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NTT・島田社長、被災地の通信環境復旧は「見通し立たず」 能登半島地震

» 2024年01月12日 17時50分 公開
[産経新聞]
産経新聞

 NTTの島田明社長は1月12日、産経新聞の取材に応じ、1日に発生した能登半島地震で被害を受けた通信設備の完全復旧について「見通しは立たない状況だ」と明らかにした。船の上に携帯電話の基地局設備を設置した「船上基地局」などで通信環境を提供しつつ、従来設備の復旧を最優先で進めていく方針を示した。

photo インタビューに応じるNTTの島田明社長=12日午前、東京都千代田区(関勝行撮影)

 地震発生からこの日で12日目だが、能登半島北部を中心に固定電話や携帯電話の通信サービスが使いづらい状況は続いている。島田氏は「通信ケーブルが複数の箇所で切れてしまっている」と被害の大きさを説明。半島という地形による現場へのアクセスのしにくさも影響し、復旧作業が進みにくい状況だという。「道路が復旧しないと厳しい。携帯電話の従来サービスを全て復旧させるには、時間がかかるのが現実だ」と述べた。

 一方、NTTドコモがKDDIと共同で運営する船上基地局のほか、衛星電話なども活用することで「連絡ができない状況になっている場所はもうない」という。現地で活動する自衛隊の通信などにも支障はない状況だ。

 島田氏は「まずは通信を復旧させることが第一の支援だと思っている」と述べ、速やかに取り組む方針を強調した。(根本和哉)

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