他人名義のスマートフォンで、NTTドコモの電子決済サービス「d払い」を不正利用し現金をだまし取ったとして、大阪府警国際捜査課などが電子計算機使用詐欺などの疑いで、大阪や兵庫に住む20〜30代のベトナム人グループ5人を逮捕していたことが2月5日、捜査関係者への取材で分かった。府警は2023年5月から同様の手口で不正を繰り返し、2000万円以上を詐取したとみて実態解明を進める。
府警は5日、自身が実質経営するベトナム食材販売店で同年5〜6月、客が商品を購入したかのように装い、他人名義のスマホのd払いで架空決済を繰り返し、決済代行業務を担うカード会社から1000万円以上をだまし取った疑いがあるとして、同容疑で、メンバーの20代男を再逮捕した。架空決済での立件は珍しいという。
捜査関係者によると、グループは他に兵庫県尼崎市のベトナム料理店経営の男ら。グループは共謀して、同年5〜8月ごろ、他人名義のスマホを使って、d払いの架空決済を繰り返したり、家庭用ゲーム機を購入したりしていた疑いが持たれている。ゲーム機は転売し、現金化していたとみられる。
府警はグループの関係先から約200台のスマホを押収。200人以上の在留外国人らの名義で、600回線以上をドコモ側と契約していた。
グループは電子マネー「iD」(アイディ)をd払いサービスとひもづけて悪用。電話利用料金に上乗せして契約者に請求する「電話料金合算払い」のため、不正利用しても被害が発覚するまでタイムラグがあった。
このサービスの使用上限は月3万円。食材販売店の男は大量のスマホで多いときで1日に600回以上の架空決済を繰り返し、不審に思ったカード会社側が府警に通報して発覚したという。
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