米Appleは2月21日(現地時間)、同社のE2EEのメッセージングサービス「iMessage」に“画期的なポスト量子暗号プロトコル”の「PQ3」を導入すると発表した。“iMessage史上最も重要な暗号セキュリティアップグレード”という。3月に予定しているiOS 17.4、iPadOS 17.4、macOS 14.4、watchOS 10.4のリリースで展開する計画だ。
PQ3は、高度な量子コンピューティング攻撃からメッセージを守るための堅固な暗号化と防御を提供する。そうした攻撃が実行されるのはまだ何年も先だとAppleは考えているが、ポスト量子認証の必要性を評価しているという。
「実用レベルの量子コンピュータはまだ存在しないが、豊富なリソースを持つ攻撃者は、データストレージコストの低下を利用して量子コンピュータの出現に備えている可能性が高い。こうした攻撃者は、現在はまだ復号できないデータを蓄積し、復号可能になる時を待っている。これはHarvest Now, Decrypt Laterとして知られる攻撃シナリオだ」。
Appleによると、PQ3はポスト量子防御に関してE2EEメッセージングサービスのSignalを超えているという。「PQ3ではポスト量子セキュアアルゴリズムはラチェットの一部であり、Signalのように初期化時に1回だけではなく、繰り返し使用される」。
Appleの「iMessage」はEUのデジタル市場法(DMA)に抵触しないとの決定
Apple、“次世代SMS”こと「RCS」に対応へ 24年後半に 「iMessage」は並行して提供
米国立標準技術研究所(NIST)、4つの「ポスト量子暗号」アルゴリズムを選択
「iMessage」に脆弱性、スパイウェア「Pegasus」の感染から発覚 AppleがiOSやmac OSなどに対策アップデート配信Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR