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ドラマ「相棒」に“AI右京”登場 生成AIのフェイク動画が拡散、カオスもたらすストーリー

» 2024年03月13日 12時52分 公開
[松浦立樹ITmedia]

 3月13日放送のドラマ「相棒 season22」最終回に生成AIが登場する。水谷豊さん演じる主人公・杉下右京が登場する“謎の動画”が拡散されてしまい、波紋を呼ぶ──というあらすじ。予告動画では、右京が「(この動画は)生成AIによってこしらえられた動画でしょう」と推理する一幕を確認できる。

ドラマ「相棒 season22」最終回に生成AIが登場(公式Webサイトから引用)

 生成AIが登場する今回の話のタイトルは「トレードオフ〜AI右京の完全推理」で、6日に放送した内容の後編に当たる。前編にて2つの事件の捜査をしていた右京たちだが、突如「それらの事件の犯人は内閣官房長官だ」と言い放つ右京の動画が世に拡散されてしまう。右京自身は「身に覚えがない」とし、フェイク動画であると思われるが、一体誰がそんなことをしたのか。一連の事件との関連性はあるのか。それらの謎に迫っていくという。

“AI右京”の動画が拡散されてしまう(公式Webサイトから引用)

 この話の放送に併せて、テレビ朝日のWebメディア「テレ朝POST」では水谷さんと、その相棒である亀山薫役・寺脇康文さんのインタビュー記事を掲載し、生成AIに対する印象を語っている。

 水谷さんは「心というものがあるとしたら、AIはどこまでそれを表現できるのでしょうか? 心は人としてもっとも大切なところで、それはAIは持たないのではないか」と指摘。また、米国で脚本家や俳優の労働組合でストライキが起こったことにも言及し「“いいこと”にAIを使うにはどうしたらいいのか考えていくべきでしょう」と述べた。

 寺脇さんは「AIに心はないですもんね」と水谷さんの意見に同意して「やっぱり道具なんですよ。とても便利な道具。そればかりに頼ってはいけないと思うけれど、うまく使えるところはどんどん使っていくといいのかなと」と語った。

AI、ダークウェブ、ライブ配信…… テクノロジー×事件を描く、相棒ワールド

 実は相棒にAIが登場したのは今回が初めてではない。過去には、“犯罪捜査用の人工知能”が登場し右京と推理を競い合う回(season14 第5話「2045 」)や、ディープフェイク動画をアリバイトリックに使用する事件(season18 第20話「ディープフェイク・エクスペリメント」)もあった。

 このように相棒の中ではテクノロジー×事件を描いた話も多い。season22の中でも、ダークウェブを使って犯罪を外注し「今って犯罪さえネットで注文できちゃうんですね」というせりふが飛び出す話(14話「亀裂」)や、ライブ配信中に襲われた配信者を右京が特定し、謎を解明していく事件(15話「マッターホルンの殺人」)など、現実社会を反映した話があった。

 そんな相棒の世界に、初めて登場した“生成AI”という言葉。ChatGPTを筆頭に急速に現実社会に浸透しているテクノロジーは、作中でいったいどのように使われていくのか。相棒 season22最終回は13日午後9時からテレビ朝日系列で放送予定だ。

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