曽我部真裕・京都大大学院教授(憲法・情報法)
「医療機関は差別化が難しく、広告も制限されているため、受診する医療機関を選ぶ上で口コミの影響は大きい。Google Mapは地図サービスの中でもシェアが高く、なおさら影響力は大きい。
医師は公共性の高い職業で、一定の社会的評価を受けるのは仕方がない。他方で、事実無根の誹謗(ひぼう)中傷を受けるいわれはない。だと知りながら書き込んだ口コミまで、表現の自由で守られるということではない。
ひどい口コミは削除することが求められるが、Google側が悪評の真偽を見分けるのは困難だ。診療内容について医師と患者で見解が異なる場合などは判断が難しい。
今月に入り、FacebookなどのSNS上で著名人になりすました投資詐欺広告が拡大しているとして、運営するMeta社を提訴する動きが表面化するなど、サービスを運営するプラットフォーマーの責任を問う声は大きくなっている。今回の訴訟もその流れの一環とみることができる。
Google側も口コミを削除するかどうかの線引きを見直すことが求められるようになるだろう」(聞き手 橘川玲奈)
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