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ソニーは「着るエアコン」を本気でビジネスにしようとしている 新作はどう進化したか、実機をチェックする小寺信良のIT大作戦(2/3 ページ)

» 2024年05月10日 13時00分 公開
[小寺信良ITmedia]

進化ポイントをチェック

 REON POCKET 5は、本体とネックバンドのセットと、ウェアラブルセンシングデバイス「REON POCKET TAG」を同梱したキットの2タイプがある。価格は公式サイトでそれぞれ1万7600円と1万9800円となっている。

REON POCKET 4(左)とREON POCKET 5(右)

 REON POCKET TAGは「4」のときに登場したアクセサリーで、クールとウォームの自動モード切り替えや、ウォームモードの自動温度調整に利用できる。これも昨年爆売れしたが、単体で買うと3850円なので、今回の同梱キットの方がお得である。また持ち運び用の専用ケースも3300円で販売されている。

小型センサーのREON POCKET TAG
全パーツが収納できるキャリングケースも販売

 エアロフローパーツも変更になっている。前回は襟が高い服を着た際の排気用に、長い筒状のダクトを同梱していたが、今回はロングとショートの2タイプが付属する。ロングタイプは先端がカーブしており、外向けに排気されるようになった。従来はストレートだったので、排気が後頭部に当たって熱い/寒いという問題もあったようだ。これが解決できるのと、このカーブ部分が襟にかかることで、本体が滑って服の中に潜ってしまわないというメリットもある。

エアロパーツも後方吹きだし型に改良(左が4、右が5)
ショートタイプでも後方吹きだしが可能

 本体の外観は、アクセサリーの都合もあるので外寸は同じだが、吸気部分のベロが短くなっており、服の吸い込み・張り付きがより軽減されている。このためソニーロゴは、上面に移動している。

吸気口の形状も改良されている(右が5)

 内部構造としては、まず使用するペルチェ素子を再設計し、厚みとしては1mm厚くなっている。たかが1mmではあるが、この厚み増でペルチェ素子の反対側や回路部の熱が冷却側に回り込む「あおり熱」の影響を軽減している。

ペルチェ素子も新設計(右が5)

 そして今回最大の改善点は、冷却ファンだ。これまでは汎用品を組み込んでいたが、冷却ファンのメーカーが変更され、専用設計品を搭載した。これにより回転数を上げなくても風量が出るため、電力効率が劇的に改善した。電力効率1.8倍の秘密は、ほぼここだという。

専用設計となったファン(右が5)

 また流体軸受けを採用したことで、ファン音も静かになった。これまで少人数の会議や静かなオフィスでは、ファン音が気になるという声もあったという。

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