パナソニックが先日発表した新型ミラーレスカメラ「LUMIX DC-S9」の商品サイトが物議を醸している。商品の特徴や新機能を紹介するサイトの写真が、S9で撮影したものではなく、ストックフォトの画像を使っているとX(旧Twitter)で指摘される事態に。同社に確認したところ、一部ストックフォトの利用を認め「誤解を与える画像使用であったことを、深くお詫び申し上げます」と謝罪した。
Xでストックフォトの利用を指摘されたのは、S9の商品ページの機能に関する部分。AFに関するページに使われている犬が走っている扉絵から、像面位相差AFの精度を紹介する写真、動物認識AFで使われている動物の写真、S9の目玉機能でもある「リアルタイムLUT」機能などで、ストックフォトにアップされているものと同一の写真が商品ページで使われていたとされる。
同様の指摘はS9以外のモデルにもある。例えば、マイクロフォーサーズ規格のミラーレスカメラ「LUMIX DC-G100D」のレンズ紹介ページにて、標準ズームレンズ「LUMIX G VARIO 12-32mm」とともに掲載された子どもの写真も、ストックフォトサービスに同じものが存在。解像度は「8688x5792」と表記されており、画素数に直すと約5000万画素。2030万画素のG100Dで撮影したものではないことが分かる(Xには望遠レンズとCanon製一眼レフを使った写真との指摘もある)。
筆者が確認したところS9やG100D以外にも、2019年にパナソニックが初めて投入したフルサイズミラーレス「LUMIX DC-S1」や、Sシリーズ最新モデル「LUMIX DC-S5M2」でもストックフォトの可能性が高い写真を発見した。例えば、S1の「高画質」ページのトップに掲載されている2枚の写真ともストックフォトサービスで存在を確認。1枚目はストックフォト上の解像度が「7866×5244」(約4000万画素)とS1の画素数を超えており、2枚目は2015年7月にアップロードされたもので、どちらもS1で撮影された可能性が低い写真だった。
ただ、商品サイトの写真に「作例」などの文言はなく、サイトの一番下には「画像・イラストは効果を説明するためのイメージです」との注記が小さく書かれており、当該商品の作例としていた写真がストックフォトのものだったという虚偽の記載をしていたわけではない。
とはいえ、何の説明もなしに機能紹介の文脈でデカデカと写真が掲載されていたら、作例と誤認する可能性は高い。実際、Xでも「カメラの商品説明ページに貼ってある写真はそのカメラで撮ったと思うやん」といったコメントや、「コンデジ時代のやり方のままのサイト制作体制が続いていたのでは」などの指摘もある。
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