北朝鮮が管理していたとみられるクラウドストレージサーバから日米のアニメ作品に関するファイルが見つかった問題で、アニメ「魔導具師ダリヤはうつむかない」製作委員会は6月7日、北朝鮮の制作会社が同アニメに関与した可能性を「否定できない」として、該当する部分を作り直した上で放送すると発表した。
4月の報道を受け、制作に関わったスタッフの調査を行ったところ、製作委員会から製作委託を請けた颱風グラフィックスから国内の制作会社へ、その会社から中国の制作会社へ、さらに別の中国の制作会社へ一部の作業が委託されていたことが分かった。
これら委託先に作業スタッフリストの提出を求めたところ、応じない会社が1社あった。製作委員会は「当該会社へ委託した作業については、北朝鮮の制作会社の本作への関与の可能性が否定できない」と判断。該当部分は、すべて国内スタッフにより製作し直した上で放送するとしている。
製作委員会は、ファンに対して改めて謝罪すると共に、今後のアニメ制作については「委託先も含めて適正な制作プロセスの徹底につとめる」としている。
発端は、米国のシンクタンク・Stimson Centerが、日米のアニメ制作に北朝鮮の国有企業が関与している可能性があると指摘したこと。23年に見つかった北朝鮮のものとみられるクラウドストレージサーバを調査したところ、日本や米国のアニメに関するファイルが見つかったとして、4月22日に情報を公開した。
その後、日米のアニメ制作会社が相次いで関与を否定する中、「魔導具師ダリヤはうつむかない」製作委員会は「製作委員会および制作スタジオも把握していない情報」として調査する方針を示していた。
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