公正取引委員会が所管する「スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアにかかわる競争の促進に関する法律案」が、6月12日の参議院本会議で可決・成立した。特定ソフトウェアを巡る競争上の課題に対応するため、指定事業者に対し一定の行為の禁止(禁止事項)や、一定の措置を講ずる義務付けを定めるもので、2025年末までに施行する予定。
公取委会は同法案について、スマートフォンが国民生活や経済活動の基盤となる中で、スマートフォンで特に必要なソフトウェア(OS、アプリストア、ブラウザ、検索エンジンなど)に対し「セキュリティを確保しつつ、競争を通じて多様な主体によるイノベーションが活性化し、消費者がそれによって生まれる多様なサービスを選択できその恩恵を享受できるよう、競争環境の整備を行うため」としている。
法案の主な禁止事項と順守事項は以下の通り(公正取引委員会「スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律の概要 別紙1」より引用)。
違反に対する措置などについては「指定事業者による規制の順守状況に関する報告、関係事業者による情報提供、関係省庁との連携、公正取引委員会の調査権限や違反を是正するための命令、課徴金納付命令(算定率20%)等の規定を整備する」としている。
今回の可決で影響を受けるのは、OSやアプリストア、決済手段を提供するプラットフォーマー側(AppleやGoogleなど)だ。法案可決に関してAppleに質問したところ、次のようにコメントした。
「Appleは、日本をはじめ、事業を展開する全ての国において、イノベーション、雇用創出、競争の原動力であることを誇りに思います。日本政府はこれまでに、ユーザーのプライバシーとデータのセキュリティ、イノベーション、そして私たちの知的財産の保護に資するべく、法案においてさまざまな改善をしました」
「私たちは、日本の消費者のみなさんと、そのみなさんがiPhoneに期待する、セキュリティやプライバシーが確保されたユーザー体験に対して、この法律が実際に与える影響について懸念を持ち続けながら、法律の施行に向けて、引き続き日本の公正取引委員会と密に連携してまいります」
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