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「ドクターイエローと同等以上」のデータを営業走行中に取れる「N700S」 電車線の画像解析など

» 2024年06月17日 13時37分 公開
[ITmedia]

 JR東海は6月14日、東海道新幹線の新型車両「N700S」の一部に、線路などの地上設備を検査できる装置を搭載し、「ドクターイエロー」で行ってきた検査を代替すると発表した。2027年以降は、ドクターイエローによる検査をとりやめ、営業車による検査に移行する。

 2026年度から28年度にかけて追加投入する17編成の一部に同機能を搭載。ドクターイエローにはなかった検査装置も備え、「営業車両でドクターイエローと同等以上のデータを高頻度で取得できる」としている。

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 ドクターイエローが担っていた床下のセンサーでの検査に加え、電車線設備の画像を解析して設備の異常を検知する機能や、画像や点群データから軌道材料の状態を詳細に把握できる機能などを搭載。係員が現地で行っている検査業務の一部も代替でき、保守作業を省力化できるという。

 パンタグラフを監視する装置には画像解析機能を追加。パンタグラフへの飛来物付着などを検知して運転士や指令所の係員に通知できる。本線走行中に車両故障などが起きた場合に指令所にリアルタイム伝送できる車両データは増やす。

 N700Sは、20年度から導入を進めてきており、28年度に合計76編成になる予定だ。

 ドクターイエローは約10日に一度、実際の営業路線を走行しながら電気設備や軌道設備などの状態をチェックしてきた。JR東海が保有する「T4」は25年1月、JR西の「T5」は27年以降をめどに引退する予定だ。

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