ITmedia NEWS > 社会とIT >

「FIRE」する人が増えたら社会はどうなる? 労働力はAIでまかなえるのか小寺信良のIT大作戦(1/4 ページ)

» 2024年09月19日 17時00分 公開
[小寺信良ITmedia]

 「FIRE」(Financial Independence, Retire Early)という生き方は、2017年頃から米国で話題になり始めた。早期に人生所要金額を稼ぎきってしまい、さっさと退職してあとは好きなことをして自由に暮らす、というライフスタイルである。

 もともと米国は、長期休暇中はキャンピングカーで野山で暮らすとか、リタイアした夫婦が家を売り払って豪華客船で世界中を巡るとか、日本人には想像も付かない生き方をする人達が一定数実在しており、FIREも現実にあり得る話だろう。

 一方日本でも2019年ぐらいからそうした生き方を理想とする人達も出てきており、どうやれば実現できるのか、さまざまな試行錯誤が行われているところである。

 2023年5月にAlbaLinkが労働者500人を対象に調査した結果によれば、FIREしたいと考える人は全体の78%にものぼる。

FIREしたいと思う人の割合(AlbaLinkのプレスリリースより抜粋)

 その理由としては「仕事・会社から解放されたい」「時間を自由に使いたい」「好きなことをして暮らしたい」「面倒な人間関係から解放されたい」といった願望が並ぶ。ここから垣間見えるのは、仕事に対してのやりがいを見いだせず、本来のやりたいことを犠牲にしてただひたすら生きていくために労働力を提供しているという姿である。

FIREしたい理由(AlbaLinkのプレスリリースより抜粋)

 とはいえ、FIREはあくまでも願望であり、実際に実現する人はごくごく少数だろうと考えられてきた。だが、その願望はある程度実現可能ではないかとするレポートが登場した。

       1|2|3|4 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

あなたにおすすめの記事PR