ITmedia NEWS > STUDIO >

Adobe MAXで発表された主な新機能 生成AI「Firefly」でアプリ強化

» 2024年10月15日 07時35分 公開
[ITmedia]

 米Adobeは10月14日(現地時間)、年次カンファレンス「Adobe MAX 2024」を開催し、クリエイター向けの生成AI採用の多数の新機能を発表した。生成AI「Firefly」を各アプリに統合することで、クリエイティブワークフローの効率化を目指している印象だ。

 発表された新機能の一部をアプリ別に紹介する。

Firefly

 以下の各アプリでの紹介と重複するが、

Firefly Video Model(β)リリース

 Firefly Video Model(β)がリリースされた。Premiere ProやFireflyのWebアプリに搭載され、テキストから動画を生成したり、静止画を動画に変換したり、映像クリップを拡張したりすることができる。

Firefly Image 3 Modelが正式版に

 Firefly Image 3 Modelが正式リリースになった。PhotoshopやFireflyのWebアプリに搭載され、Generative Fill、Generative Expand、Generate Similar、Generate Backgroundなどの機能で、より高品質で多様な画像生成が可能になる。

 IllustratorやIndesignにもFireflyが統合される。それらについては各アプリの項で紹介する。

Photoshop

消しゴムマジックのような「Distraction Removal」

 人物、電線、ケーブルなどの不要なオブジェクトをワンクリックで削除できる。

 adobe 1 「Distraction Removal」で電線を削除(画像:Adobe)

Generative Workspace(β)

 Fireflyにより、複数のコンセプトを同時に検討・生成できる。生成されたアセットは自動的に整理された履歴ノートブックに保存され、再利用可能。

Adobe Substance 3D Viewer(β)との連携

 Adobe Substance 3D Viewer(β)との連携で、3DモデルをPhotoshopのデザインにSmart Objectとして取り込める。

Generative Fill、Generative Expand、Generate Similar、Generate Background

 Generative Fill、Generative Expand、Generate Similar、Generate Backgroundが正式版になった。これらではFirefly Image 3モデルを採用する。これにより、生成される出力の多様性とフォトリアリスティックな品質が向上し、以前のモデルよりも複雑なプロンプトをより適切に理解できるとしている。

 photoshop 2 Firefly Imageモデルの新旧比較(画像:Adobe)

OCIO Configurationの導入

 プログラム間でのカラーワークフローの管理、変換、維持を強化した。

Illustrator

Project Neo(β)

 Webアプリの「Project Neo」(β)で、シェイプ、カラー、ライティング、パースペクティブなどの3Dデザインを作成・編集し、Illustratorにシームレスに取り込めるようになる。

Objects on Path

 Objects on Path機能により、オブジェクトを任意のパスに沿って配置・移動できるようになる。

 illustrator Objects on Path(画像:Adobe)

Enhanced Image Trace

 Enhanced Image Traceにより、ラスター画像をより正確かつ簡単にベクター画像に変換できるようになる。

 illustrator 2 Enhanced Image Trace(画像:Adobe)

Generative Shape Fill(β)

 Generative Shape Fill(β)で、Firefly Vector Modelを活用し、テキストプロンプトを入力するだけで、詳細なベクターをシェイプに追加できるようになる。

Mockup機能が正式版に

 Mockup機能が正式リリースされ、アートワークを製品パッケージやアパレルなどのオブジェクトに配置した際のリアルなモックアップを簡単に作成できるようになる。

Premiere Pro

 Generative Extend(β)で、Firefly Video Model(β)を搭載することで、映像クリップを拡張して映像のギャップを埋めたり、トランジションをスムーズにしたり、ショットを長く保持したりすることができるようになる。

InDesign

  • Generative Expandの正式版リリース:既存の画像をレイアウトに合わせて拡張できる
  • Adobe Expressとの連携:InDesignで作成したテンプレートをExpressで編集できる
  • Text to Image正式版リリース:テキストプロンプトから画像を生成できる
  • MathMLをSVGとして直接挿入可能に
  • Generate Effects (β):Fireflyにより、シェイプ、ベクトル、文字にテクスチャ、グラフィック、パターン、画像などの効果を追加できる
 indesign Generative Expand(画像:Adobe)

 この他、History Panel、InDesignドキュメントのオンライン公開、クラウドドキュメントの保存とアクセスなど、多数の新機能が追加される。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.