任天堂は11月6日、2025年3月期第2四半期決算説明会での質疑応答の要旨を公開した。Nintendo Switchの後継機種に関する質問に答えた他、宮本茂フェローが“ゲームデザインとは何か”語る一幕も。Xユーザーからは「(任天堂の質疑応答は)読み物として面白い」などの声が上がっている。
質疑応答の中で、宮本さんが毎年新入社員向けに行っている講義に言及する質問が上がった。質問者は「宮本さんは天才だからヒットを生み出し続けているように感じる。ゲームづくりの本質的な部分は伝えていくのが難しいと思うが、どのような工夫をしているのか」と投げかけた。
これに対し宮本さんは「『宮本さんはどんな人かと思っていたら、意外と普通の人で安心した』という感想をよく聞くので、私は結構普通な人なのだと思う」と返答。クリエイティブに関する悩みについても講義で話すと明かし、以下のように続けた。
「できれば仕事をせずに済む方が楽しく過ごせるのにと思うので、仕事をするならいかに効率よく仕事をするか、同じ仕事をするならヒットさせた方が次の仕事がしやすくなるので、どうすればもっとヒットさせられるのだろう、といったことを普段から考えている」(宮本さん)
新入社員に対する講義は毎年2時間程度で、任天堂の歴史や、任天堂のゲーム作りにおける強みと大事にしていること、ゲームデザインとは何かなどのトピックを語る3部構成になっているという。
特にゲームデザインについては「新しく入った開発者で、よくゲームを遊んできた人は、前に遊んだゲームをより豪華にしたものをつくりたいという思いを持つ方が多いが、そうではなく、いろいろな身の回りのことから何をテレビゲームにしたら面白いかを組み立てていくのがゲームデザインだと説明している」と明かした。
「どんなハードウェアや開発環境でゲームをつくるのか、その処理能力を踏まえた上で、自分がつくりたいものが本当に実現できるのかを考え、実現するために試行錯誤をするといったように、ゲームデザインとは設計だと説明している。これを聞くと、多くの方が『自分が思っていたゲームデザインとは違う』と面白がったり、ものづくりの考え方に対して共感したといった感想をもらったりする」(宮本さん)
この他にも質疑応答では、Nintendo Switchの後継機種に関する質問にも回答。後継機種ではSwitchのソフトを遊べて、Nintendo Switch Onlineも継続利用できることから「後継機種の発売後すぐに新しいハードウェアを購入する動機が弱くなるのではないか」という質問が上がった。
これに対して、古川俊太郎代表は「Nintendo Switchは大変多くの方に手に取って遊んでもらっており、ユーザーが持っているNintendo Switch向けソフトウェアをNintendo Switchの後継機種でも遊べるようにするのが最適であると判断した」と説明。「手元のゲームを継続して楽しんでもうらことや、Nintendo Switch向けに発売している豊富なラインアップの中から、次に遊ぶタイトルを選んでもらうことも可能になる」と続けた。
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