米Google傘下のGoogle DeepMindは12月4日(現地時間)、生成AIベースの高精度天気予測モデル「GenCast」を発表した。最大15日先までの日々の天気と台風などの気象現象の両方を、「従来の最先端システムよりも正確に予測できる」としている。
GenGastは気象軌跡を表す50以上の予測で構成される「アンサンブルモデル」で、従来の単一の推定値を提供する決定論的モデルとは対照的だとDeepMindは説明する。また、複雑なデータの確率分布をモデル化し、新しいサンプルを生成できる生成的な機械学習手法である「拡散モデル」でもある。
例えば、台風の進路予測でも優れた性能を示すという。例として、2019年に日本に上陸した台風19号の予測性能を紹介した。下の画像では、上陸7日前はまだ不確実性が高い状態だが、上陸が近づくにつれて正確な進路予測が可能になることを示している。
DeepMindは昨年11月にもAI気象予測モデル「GraphCast」を発表した。GenCastはGraphCastのアーキテクチャの一部をそのまま使用しているという。GenCastはGraphCastのアーキテクチャをベースに、拡張モデルの導入などの改良を加えることで予測精度を向上させたとしている。
Googleは、GenCastをオープンモデルとし、コードと重みを公開した。これにより、様々な機関や研究者が独自の気象予測システムを開発できるようになる可能性があるとしている。また、Google検索やGoogleマップ、Google Earthを通じて提供していく可能性にも触れている。
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