楽天モバイルは2月16日、米AST SpaceMobile(以下、AST)と共同で進めている低軌道衛星とスマートフォンの直接通信による通信サービスを、2026年中に提供する計画を発表した。同日行われた2024年度通期および第4四半期の決算説明会で明らかにした。
楽天モバイルの会長を兼務する楽天グループの三木谷浩史会長兼社長は「25年春ごろから日本で実証実験を予定している。今後2年で約60機の商用衛星を打ち上げ、日本全国をカバーする通信サービスを26年内に提供したい」とした。
低軌道衛星を活用する通信サービスは、山間部や離島を含む日本全域をカバーでき、災害発生時にも影響を受けにくい。とくに自然災害の多い日本ではニーズが高く、KDDIは米SpaceXと提携し、NTTドコモは米Amazonなどの「Project Kuiper」、ソフトバンクは英OneWebに出資するなどそれぞれ取り組みを進めている。
他社サービスに対する優位性について質問を受けた三木谷氏は「今の段階ではAST SpaceMobileのテクノロジーだけがブロードバンドの衛星直接通信といえると思う」と話す。ASTの試験では、市販スマートフォンと衛星の間で下り14Mbpsの通信が可能だったという。
楽天モバイルは、20年3月にASTに出資。ASTは22年9月に低軌道試験衛星「BlueWalker 3」打ち上げに成功し、23年4月には英Vodafoneや米AT&Tと共同でスマートフォン同士の音声通話試験を成功させた。楽天モバイルは日本での試験実施に向け、22年11月に実験試験局免許の予備免許を取得している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR