2月28日(日本時間)に行われた、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領と、ドナルド・トランプ米大統領の会談。話し合いの終盤では、同席したJ・D・ヴァンス米副大統領を含め、米国側とウクライナ側で口論が巻き起こり、かえって両国の対立が深まる格好となった。一方SNSでは、首脳会談のセンセーショナルさを受けてか、ゼレンスキー大統領とトランプ大統領が殴り合いをするフェイク動画などが複数投稿されている。
記者が調べた限りでは、両大統領が取っ組み合いのけんかをするような映像、ゼレンスキー大統領が突然トランプ大統領やヴァンス副大統領につかみかかるような映像、ゼレンスキー大統領がトランプ大統領の顔面を殴る映像、トランプ大統領とゼレンスキー大統領が格闘ゲームのように殴り合う映像などが、XやTikTokで確認できた。
確認できた映像は、いずれも開始部分が報道映像やそのスクリーンショットの一部などと一致していた。これらの映像・画像を素材に、続きを生成したとみられる。
多くの映像は生成に使ったとみられるサービスロゴの透かしがあったり、投稿者が「Luma Dream Machine」などの動画生成AIで生成したとのコメントを添えていたり、明らかに破綻した部分があったりと、本物でないと判別できるものだった。
ただし、中には透かしをトリミングしたと思しき映像や、生成AIを使っていると明言せず投稿している映像も。投稿者はほとんどが海外のアカウントだったが、映像を転載する日本語アカウントも散見された。
トランプ大統領を巡っては、同氏やその関係者を対象としたディープフェイクがSNSで頻繁に共有されている。中には支持者や自身が利用するケースもあり、2024年7月の米大統領選の最中には、トランプ氏を支持する実業家のイーロン・マスク氏が、競合候補だったカマラ・ハリス氏のディープフェイク動画を投稿。トランプ大統領自身も2月、パレスチナ・ガザ地区をリゾート地区にし、自身を模した金色像を置くAI動画を投稿しており、現地住民の反発を招いていた。
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