民間企業として2例目となる月面着陸を成功させた米Firefly Aerospaceは3月4日(現地時間)、月着陸船「Blue Ghost(ブルーゴースト)」が撮影した着陸時の動画を公開した。一方、同じロケットで打ち上げられた日本の宇宙ベンチャー、ispaceの「RESILIENCEランダー」も順調に航行しているという。
Fireflyが公開した動画には、Blue Ghostの搭載カメラの視点で、安全に着陸できる場所を探し、「危機の海(Mare Crislum)」と呼ばれる目標地点にゆっくりと着陸する様子が映っている。遠くに見える小さな光は地球だ。
徐々に近づく地面。ノズル噴射によって勢いよく巻き上げられた月の砂が画面を覆い、ちょっとした画面の揺れが無事に着陸したことをうかがわせた。
Fireflyの公式Xアカウントは「3月2日の歴史的瞬間は決して忘れません。ブーツに月の砂が付いているようです」と記している。
Blue Ghostはその後、月の日の出を撮影。月が次の夜を迎えるまでの2週間、NASAなどに依頼されたオペレーションをこなす計画だ。
Blue Ghostが、米Space Xの「Falcon 9」ロケットで打ち上げられたのは日本時間の1月15日。日本の宇宙ベンチャー、ispace(東京都中央区)の月着陸船「RESILIENCEランダー」と“相乗り”する珍しいケースだった。
Blue Ghostとは別のルートで月を目指しているispaceのRESILIENCEランダーは、3月4日時点で低エネルギー遷移軌道上の深宇宙を航行中。システムは全て正常に動作しており、事前に設定した月面着陸に向けた10段階のマイルストーンの内、5つを達成した。
5月6日ごろには月の重力圏へ到達し、月の周回軌道へ投入。そして日本時間の6月6日午前4時24分に月面着陸に挑戦する予定となっている。
アイスペースの再挑戦、まずは打ち上げと分離が完了 月着陸船の“相乗り”で
「攻めた設計」の結果か JAXA「SLIM」総括会見で明かされたスラスター脱落に至った推定シナリオ
小惑星「2024 YR4」が地球に衝突する確率は0.004%に NASA「大きな脅威ではない」
「攻めた設計」の結果か JAXA「SLIM」総括会見で明かされたスラスター脱落に至った推定シナリオ
JAXA、月着陸実証機「SLIM」運用終了 「通信復旧の見込みはない」Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR